
ドバイ:スーダンの準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)は16日、中心都市ワドメダニ郊外で軍と戦闘し、8ヶ月に及ぶ戦争に新たな戦線を開き、数千人が避難を余儀なくされているのが目撃された。
多くの人々が首都ハルツームでの暴力によりワドメダニに避難していたが、ソーシャルメディアに投稿された動画では、大勢の人々が荷物をまとめて徒歩で立ち去る姿が見られた。
「戦争がワドメダニまで追いかけてきたので、私と家族が避難するためのバスを探しています」とアフメド サリーさん(45)はロイターに電話で語った。
「地獄のような生活を送っています。助けてくれる人は誰もいません」。さりーさんは南のセンナールに向かうつもりだと述べた。
目撃者によると、紛争が始まって以来同市を維持してきたスーダン軍(SAF)は、15日に始まった襲撃を押し返そうとして、ジャジーラ州の州都である同市の東側でRSFの部隊への空爆を開始した。
RSFは砲撃で応戦し、RSFの増援部隊が戦場の方向に移動するのが目撃された。
住民によると、RSFの兵士はここ数日から数週間、市の北と西の村でも目撃されている。
国連によると、これまでに14,000人がこの地域から避難し、数千人がすでに他の都市に到着している。ジャジーラ州には主にハルツームから50万人が避難している。
スーダン医師会は声明の中で、人道的・医療的拠点となっていた同地域の病院は空になりつつあり、閉鎖を余儀なくされる可能性があると警告した。
また同医師会は、ハルツームのメイゴマ孤児院から移転した340人以上の子供とスタッフが、緊急の移転支援を必要としていると述べた。
この戦闘は、数万人が避難しているスーダン南部と東部の他の軍隊が支配する都市の不安を高めている。
「RSFが攻撃を控え、すべての当事者があらゆる犠牲を払って民間人を守るよう強く求める。テロの加害者は責任を問われるだろう」とリンダ・トーマス・グリーンフィールド米国連大使は述べた。
軍とRSFは先週、世界最大の国内避難民と飢饉に近い状況への警告を引き起こしたとして、戦争終結を目的とした東アフリカの調停の取り組みに疑問を投げかけた。
RSFがすでに占領したハルツームやダルフール州の都市では、強姦、略奪、恣意的な殺害や拘束が住民から報告されている。RSFはまた、西ダルフール州での民族虐殺でも告発されている。
RSFはこれらの非難を否定し、そのような犯罪に関与したことが判明した場合、部隊の誰であれ、責任を取らされるだろうと述べた。
別の戦線では、北ダルフール州の州都であるエル・ファーシル市周辺では、比較的に平穏な数週間の後、新たな衝突が発生したと活動家らが報告した。
同市を包囲していたRSFの部隊は、他の武装グループが関与すると表明したため、同市への進軍を停止していた。
また、南ダルフール州のニャラや、ハルツームとともに広域州都を構成する都市のひとつであるバフリでも、軍による激しい攻撃が住民から報告されている。
軍はワドメダニでの戦闘についての声明を発表していないが、スーダン外務省は、RSFが「軍事標的のないジャジーラ州東部の多くの安全な村や地区への攻撃を宣言した」として、テロリストの烙印を押した。
RSFとスーダン軍との戦争は、民主化への移行と両軍の統合をめぐる争いを受けて、4月に勃発した。
ロイター