• 広範囲にわたる破壊と民間人の死者数の多さから、停戦を求める国際的な声が高まっている。

エルサレム：イスラエル軍は20日、ガザ市の中心部でハマスの主要な司令部を発見したと発表した。これは、ガザ地区での壊滅的な軍事攻撃を縮小するようイスラエルへの圧力が高まる中、同イスラム過激派組織に深刻な打撃となる。

同軍は、ハマスが武器や過激派、物資をガザ地区全域に移動させるために使用していた広大な地下ネットワークの中心部を暴露したと述べた。イスラエルは、トンネルの破壊が攻撃の主要な目的であると述べている。

この発表は、ハマスの最高指導者が会談のためにエジプトに到着した際に行われた。会談は、一時的な休戦およびハマスがイスラエルの人質とイスラエルに収監されているパレスチナ人を交換するための新たな合意を仲介する目的で開催される。

イスラエルの指導者たちは、10月にハマスが境界を突破して行った、約1200人が死亡し、240人以上が人質にされた血塗られた襲撃に対する反応として開始された、2カ月に及ぶ軍事作戦を続行すると誓っている。

この攻勢はガザ北部の大部分を壊滅させ、約2万人のパレスチナ人を殺害、人口の約85％にあたる約190万人を避難に追いやった。広範囲にわたる破壊と民間人の死者数の多さから、停戦を求める国際的な声が高まっている。

イスラエルの最も近い同盟国である米国は、イスラエルの自衛権を支持し続ける一方で、ガザの民間人の保護に向けた、より大きな努力を求めている。

そして、これまでで最も厳しい米国の言葉として、アントニー・ブリンケン国務長官は20日、イスラエルに作戦の縮小を求めた。

「紛争が低強度の段階に移行することは明らかであり、またその必要がある」とブリンケン国務長官は語った。米国は、ハマスの指導者や同グループのトンネル網といった特定の標的に焦点を当てた、より小規模な部隊による「より標的を絞った作戦」を望んでいると述べた。

「そうなれば、民間人への被害も大幅に減少するだろう」

彼のコメントは、今週イスラエルを訪れたロイド・オースティン国防長官の発言よりも鋭いものだった。オースティン氏は、米国は同盟国にいかなるタイムフレームも指示しないと述べていた。

トンネルネットワーク

イスラエル軍は同国の記者たちをガザ市中心部にある「パレスチナ広場」に案内し、ハマスのトンネルネットワークの中心部だとされる場所を見せた。

軍の指揮官たちは、ハマスの最高指導者が使用していたというオフィス、トンネル、エレベーターを発見したことを誇らしげに語った。

軍は地下オフィスの動画を公開し、何年も公の場に姿を現していないハマスの影の軍司令官、ムハンマド・デイフ氏の車椅子を発見したと主張した。

イスラエル軍首席報道官のダニエル・ハガリ少将は、軍は広大な地下複合施設を発見したと述べた。

「彼らはすべて、緊急時だけでなく、10月7日の戦争開始時にも、このインフラを日常的に利用していた」と彼は述べた。彼は、トンネルがガザ全体と主要な病院にまで伸びていると述べた。これらの主張は独立して検証することはできなかった。

ハガリ氏はまた、イスラエルがガザ北部での作戦を縮小していることを示唆した。これには、数週間にわたりハマスの戦闘員と戦っていたガザ市も含まれる。彼は、軍がハマスの最後の拠点であるガザ市のトゥファ地区に進出したと述べた。

しかし、軍は重大な失敗も認めた。ガザで人質となっていた3人のイスラエル人を誤って射殺した兵士たちの調査から、射殺の5日前に、ボディカメラを装着した軍の捜索犬が、ヘブライ語で助けを求める彼らの叫び声を録音していたことが明らかになったのだ。

ハガリ氏によれば、この録音は、自分たちの存在を知らせようとしていた人質がイスラエル軍に殺害された後まで確認されなかったという。

この事件はイスラエル国内で大きな騒動を引き起こし、政府に対してハマスとの新たな合意を結ぶよう圧力がかけられている。

軍首脳部は、この銃撃は交戦規則に反していると述べている。

イスラエル軍の作戦は現在、ハマスの指導者が潜伏しているというガザ南部に集中している。

「我々は最後まで戦争を続ける。ハマスが壊滅するまで、勝利するまで戦争を続ける」とイスラエルのネタニヤフ首相は動画の声明で述べた。「われわれが止まると考える者は、現実から遊離している」。

停戦交渉が進展

ネタニヤフ首相が戦争継続を誓うなか、停戦交渉に新たな進展の兆しが見られた。

ハマスの最高指導者イスマイル・ハニエ氏は、戦争に関する会談のためカイロに向かった。これは活発に行われている外交の一環であり、ここ数日にはイスラエル、米国、カタールの高官も停戦交渉を行っている。

「これは非常に真剣な議論であり、交渉であり、なんらかの合意に至ることを我々は望んでいる」とジョン・カービー米国防総省報道官は、ジョー・バイデン大統領と共にウィスコンシン州へ向かうエアフォースワン内で述べた。

しかし、バイデン大統領は、合意がまだ遠いことを示唆した。「現時点で期待できるものはないが、私たちは働きかけている」と彼は述べた。ガザでの死亡者数の増加について尋ねられたバイデン氏は、悲劇的だと答えた。

ハマス側は、戦争が終結するまではこれ以上の人質は解放されないと述べている。彼らは、イスラエルに残る捕虜について、致命的な攻撃により有罪判決を受けた過激派高官を含む、多数のパレスチナ人囚人の解放を求めている。

ベイルート在住のハマス高官、オサマ・ハムダン氏は、「今の努力は、どのようにしてこの侵略を止めるかに集中している、特に、今や私たちの敵は、彼らが何の目的も達成できないことを知ったからだ」と述べた。

イスラエルはこれまでのところ、囚人の大量釈放を求めるハマスの要求を拒否してきた。しかし、イスラエルは捕虜となったイスラエル人との不均衡な囚人交換の歴史があり、政府は人質を安全に連れ帰るよう世論の強い圧力にさらされている。

エジプトは11月、カタール、米国とともに1週間の休戦を仲介し、イスラエルが240人のパレスチナ人囚人を解放するのと引き換えに、ハマスが100人以上の人質を解放した。ハマスと他の武装勢力は現在も推定129人の捕虜を拘束しているが、そのうち約20人は既に死亡したと考えられている。

国連安全保障理事会のメンバーは、何らかの形で戦闘を停止させるためのアラブ側提案の決議案について協議している。これは、ガザで切実に必要とされている人道支援物資の輸送を増加させることを目的としている。

この決議案の採決は18日に予定されていたが、先の停戦要請に拒否権を行使した米国にこれを支持させるか、または可決させることを期待し、20日に再度延期された。

人道的危機

20日、ガザ全域で携帯電話とインターネットサービスが再び停止した。この停止は、10月7日以降領土内に潜伏したとされるハマスの指導者たちと連絡を取る方法を複雑化させる可能性がある。

戦争はガザで人道的危機を引き起こしている。何万人もの人々が食料、薬、その他の基本的な物資の不足の中で避難所やテントキャンプに押し込められている。イスラエルの外相は、ガザへ大量の人道的援助を届けるための海上回廊を設立する可能性について協議するため、キプロスを訪れた。

ガザ保健省高官のムニール・アル=バーシュ氏によると、20日未明、イスラエルがガザ市近郊の都市部ジャバリヤ難民キャンプを空爆し、少なくとも46人が死亡、100人以上が負傷した。

ガザ南部の都市ラファの住宅3棟とモスクを襲った別の攻撃では少なくとも5人が死亡、数十人が負傷したと保健当局は述べた。

ハマスが統治するガザ保健省は19日、開戦以来の死者数は1万9600人以上に上ったと発表した。同省は、死亡者数において、民間人と戦闘員を区別していない。

イスラエル軍は、ガザの地上作戦で134人の兵士が死亡したと発表した。イスラエルは、約7000人の過激派武装勢力を殺害したとしているが、その証拠は示していない。イスラエルは、ガザでの民間人の死はガザでの民間人の死はハマスの責任であり、ハマスは住宅地で戦闘を行う際に、民間人を人間の盾として使っていると主張している。

AP