
カイロ/ガザ/エルサレム:イスラエルの軍事参謀総長は、ハマスに対するイスラエルの戦争は数カ月続くだろうと述べた。ガザ地区外での一連の出来事が、紛争が拡大するリスクを浮き彫りにしている。
イスラエル軍ヘルツィ・ハレビ参謀総長は26日、ガザ国境からテレビ中継された声明の中で記者団に対し、戦争は「数カ月」続くだろうと語った。
「魔法のような解決策はなく、テロ組織を解体する近道もない。断固として、粘り強い戦いを続けるしかない」とハレビ氏は述べた。「一週間かかろうが、数カ月かかろうが、我々はハマスの指導部にも到達するだろう」
イスラエル軍の行動はクリスマス前後に激しさを増し、特にガザ地区を二分する季節河川のすぐ南に位置する中心部で顕著だった。イスラエル軍は民間人にその地域から立ち去るよう勧告したが、多くの人々は安全な場所はもう残されていないと述べている。
国連人権事務所のセイフ・マガンゴ報道官は26日、「我々は、イスラエル軍によるガザ中央部への継続的な爆撃に深く懸念している。クリスマス・イブ以来、これらの爆撃により、100人以上のパレスチナ人が命を落としている」と語った。
「イスラエル軍は民間人を保護するために、すべての利用可能な手段を講じるべきだ。警告や避難指示は、国際人道法における全範囲にわたる義務からイスラエルを免除するものではない」
イスラエルは、11週間に及ぶ戦争の停戦を求める世界的な要求にもかかわらず、ハマスの壊滅を決意している。
10月7日にハマスが1200人を殺害し、240人の人質を捕らえ、イスラエル史上最悪の犠牲者を出したことを受け、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ハマスが支配するガザの大部分を荒廃させる規模の攻撃を続けている。
パレスチナの保健当局によれば、イスラエルの攻撃で約2万1000人が死亡し、さらに数千人ががれきの下に埋もれている恐れがあるという。ガザの230万人のほぼ全員が家を追われ、その多くは複数回にわたり非難を強いられている。
同保健省によると、ガザ当局は26日、イスラエルからケレム・シャローム検問所を通じて引き渡された身元不明のパレスチナ人80人を埋葬したという。
イスラム・ワクフ(宗教省)によると、遺体はガザ地区北部から収容され、南部にあるラファ墓地の長い溝に埋葬されたという。
イスラムワクフのガザ代表は、埋葬の際に「後で身元を確認するため、写真を撮っている」と述べた。
イスラエルは、民間人を守るためにできる限りのことをしていると主張し、ハマスが民間人の中で活動することで彼らを危険な目に合わせていると非難しているが、ハマスはこれを否定している。しかし、イスラエルの最も近い同盟国である米国でさえ、ジョー・バイデン大統領が「無差別爆撃」と呼ぶものによる民間人の死者を減らすために、イスラエルはより多くの努力をするべきだと述べている。
拡大する脅威
紛争拡大の兆候が増えている。
イランに支援されたイエメンのフーシ派民兵は26日、紅海のコンテナ船へのミサイル攻撃と、ドローンによるイスラエル攻撃の試みの責任を主張した。
フーシ派は、世界でもっとも忙しい航路の一つである紅海の入り口で、イスラエルに関連があるとする船舶を攻撃している。この攻撃はガザへのイスラエルの攻撃に対抗するものだとフーシ派は述べている。
25日、シリアに対するイスラエルの空爆により、イラン革命防衛隊(IRGC)の上級指導者が死亡した。
また、レバノン国境では26日、ヒズボラが教会に対して対戦車ミサイルを発射、9人のイスラエル兵と一般市民を負傷させたとイスラエルは発表した。これを受けてモスク近くからロケットが発射され、報復のための空爆が行われた。
一方インドでは、ニューデリーのイスラエル大使館付近で爆発があった。当局はスタッフに被害はなかったと述べている。
「我々は多面戦争状態にあり、ガザ、レバノン、シリア、ユダヤ・サマリア地区(ヨルダン川西岸地区)、イラク、イエメン、そしてイランの7つの戦場から攻撃を受けている」と、イスラエルのヨアヴ・ガラント国防相は26日に議会で述べた。彼はイランが支援する民兵が活動している6か所と、イラン自体を挙げた。
「我々はこのうち6つの地域にはすでに対応し、行動を起こしている」と述べ、イスラエルがまだ行動を起こしていない1つの地域を明言しなかった。
米国当局によれば、イスラエルのロン・デルメル戦略問題担当相は26日、ワシントンでアントニー・ブリンケン米国務長官とジェイク・サリバン国家安全保障顧問と会談し、戦争と人質返還について議論したという。
米国はここ数週間、イスラエルに対し、ハマスの指導者に対するより標的を絞った作戦へ移行するよう、戦争の縮小を求め、公然と圧力をかけている。しかし、同地域で米国は依然としてイスラエルの支持者と見なされており、中東でイラン支援の民兵によって米軍が攻撃されている。
米軍は25日、アルビルの米軍基地へのドローン攻撃で米軍兵士1人が重体、2人が負傷した後、イラクのカタイブ・ヒズボラ過激派への報復空爆を行った。
ロイター