
アンカラ:イランのイブラヒム・ライシ大統領は1月4日にアンカラを訪問し、トルコのタイイップ・エルドアン大統領と会談する。会談では、ガザとシリアの情勢や二国間関係に焦点を当てた協議が行われる可能性が高いとトルコ当局者が26日に発表した。
同当局者によれば、11月下旬に予定されていたライシ大統領の訪問は、2つの地域大国の外相のスケジュールが合わなかったために延期された。当時、トルコ外相はガザに関するイスラム諸国の「連絡グループ」の一員としてニューヨークに滞在していた。
何十年も続くイスラエルとパレスチナの紛争に対する二国家解決を支持するトルコは、イスラエルによるガザ攻撃を厳しく批判し、即時停戦を求め、イスラエルの指導者は戦争犯罪の罪により国際法廷で裁かれるべきだと述べてきた。
10月7日のパレスチナ武装組織ハマスの襲撃への報復として、イスラエルがガザへの空爆と地上攻撃を開始して以来、トルコはイスラエルに対する発言を強めているが、一方で、イスラエルとの通商関係は維持しており、一部の野党やイランからの批判を招いている。
欧米の同盟国や一部のアラブ諸国とは異なり、NATO加盟国のトルコはハマスをテロリスト集団だと見做していない。
東の隣国イランは「抵抗の枢軸」と呼ばれる緩やかな連合体の先頭に立っている。この連合体にはハマスのほか、イスラエルやその西側同盟国と軍事的に対立している各地のシーア派イスラム武装勢力が含まれる。イランはハマスへの支持を表明しており、ガザでの戦闘が続けば、より広い範囲に影響が及ぶと警告している。
トルコとイランは通常、複雑な関係にあり、シリア内戦をはじめとする多くの問題で対立してきた。トルコ政府はバッシャール・アル・アサド大統領の追放を目指す反政府勢力を政治的・軍事的に支援し、一方、イラン政府はアサド政権を支持している。
シリア、トルコ、イラン、ロシアの代表の間で、戦争の政治的解決を見出すための協議が何度か行われているが、トルコ政府は2020年に開始された地域外交の一環として、アサド大統領との関係改善にも動いている。
ロイター