
バグダッド:イラク政府は、米国主導の有志連合部隊が国内で展開する作戦の終了に向けた委員会を組織する予定であると、同国のムハンマド・シア・アル・スダニ首相が1月5日に発表した。
スダニ首相の声明は、米軍の空爆によりバグダッドで武装勢力リーダーが死亡し、これに憤慨した親イラン派のグループが、イラク国内での有志連合の活動を終わらせるよう政府に要求したことを受けてのものだ。
「政府は、イラクから国際有志連合部隊を恒久的に撤退させるための合意形成を目的とした、合同委員会の設立の期日を策定している」と、首相府の声明は述べた。
委員会には有志連合の代表者も含まれる予定であると、政府関係者は明かす。
1月4日におこなわれた米軍の攻撃は、米国人に対する最近の攻撃に対する報復であると、米国防総省は主張する。
米国はシリアに900人、イラクに2500人の兵士を駐留させており、ダーイシュの復活を防ぐ現地勢力への助言と支援を目的と謳う。ダーイシュは2014年には両国のかなりの面積を支配していたが、のちに打倒された。
イランが支持するイラクとシリアの武装勢力は、イスラエルがガザ地区で進める軍事作戦に反対し、米国にも責任の一端があると批判する。
親イラン派に対するスダニ首相の影響力は限定的だ。1年前に彼が首相の座に就くことができたのは親イラン勢力の支持のおかげであり、いまや同勢力は連立政権の重要な一画を占める。
「国際有志連合の駐留を正当化する理由はもはや存在せず、撤退すべきだという立場をわれわれは堅持する」と、首相府声明のなかでスダニ首相は述べた。
ダーイシュは1月4日、イランのガーセム・ソレイマニ司令官墓所で発生し、計100人以上の死者と多数の負傷者を出した2つの爆破事件について犯行声明を発表した。
ロイター