
ジュネーブ:イスラエルはガザ北部への人道支援物資の搬入を阻止し続けており、切実に必要とされている燃料や他の物資を当地の病院に届けることがますます困難となっていると国連が指摘している。
国連機関はガザ北部への人道支援活動を予定したが、支援物資の搬入は長時間に及ぶ予期せぬ検査で足止めされた上、イスラエル側にほぼ規則的に搬入を拒否されていると明らかにした。
「北部での活動はますます困難になっている」とパレスチナ自治区の国連人道問題調整事務所(OCHA)のトップ、アンドレア・デ・ドメニコ氏は述べた。
同氏はエルサレムからのバーチャル会見で、検問所ネットワークとの間でどれほど詳細な調整が必要だったかを説明し、支援物資の通過を「イスラエルは規則的、あるいはほぼ規則的に拒否した」と述べた。
同氏は OCHAはここ数日で、申請した21件のうち3件のミッションについて部分的承認を受けたと明らかにした。
ユニセフ(国連児童基金)のパレスチナ事務所特別代表のルシア・エルミ氏も「十分な支援を届けられない」ことを嘆いている。
「検査プロセスは相変わらず時間がかかり予測がたたない。切実に必要とされている物資の一部は明確な理由なしに規制されたままだ」とエルミ氏は述べた。
デ・ドメニコ氏はイスラエル軍は燃料の北部への、特に病院への搬入許可についてとりわけ慎重だと指摘した。
「イスラエル軍はひどく規則的に病院への支援を許可しないようにしており、それは非人道的なレベルにまで達しているように私には思われ、理解できない」と同氏は述べた。
一方、世界保健機関(WHO)は11日、7回の搬入の試みに失敗した後、北部のアル・シファ病院に2週間以上ぶりに、ようやく到着することができたと発表した。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務局長はX(旧ツイッター)に、このミッションにより9,300リットルの燃料を含む必要不可欠な支援物資を届けることができたと投稿した。
テドロス事務局長は「チームは以前はガザ地域最大の病院であったアル・シファ病院が(部分的に)診療を再開したと報告した」と述べた。
11月のイスラエル軍による襲撃と占領の後、ほとんどの機能を停止し、WHOが「死の地帯」と表現したこの病院には現在、60名の医療スタッフがいるとテドロス事務局長は明らかにした
アル・シファ病院には「外科・内科病棟(40床)、救急科、手術室(4室)、基本的な緊急産科機能」も備えられている。
病院は国際人道法に基づいて保護されているが、紛争勃発以来、ガザではイスラエル軍によると考えられる空爆で繰り返し攻撃されてきた。
イスラエル軍はハマスが病院の地下にトンネルを造り、医療施設を司令部として使用していると非難しているが、ハマスはこれを否定している。
ガザにある36か所の病院のうち、15か所だけが部分的に機能しており、そのほとんどは南部にある。
国連は食料、きれいな水、医薬品、燃料の深刻な不足に直面しながら、かろうじて機能している北部の病院の絶望的な状況について長い間、説明してきた。
アル・シファ病院の部分的な診療再開は良いニュースだが、テドロス事務局長は「燃料の消費量が大幅に増え、医療物資への需要も高くなる」ことを強調している。
一方、エルミ氏は特にガザの子どもたちへのより多くの支援が許可されることの緊急性を強く訴えた。「ガザの子どもたちには、もうあまり時間がありません。子どもたちにとって必要不可欠な命を救うための人道支援物資は、アクセスしにくい回廊地帯と長引く多くの検査との間で停滞したままです」とエルミ氏は訴えた。
「必要性の増大と対応の制約とは桁外れの災厄を引き起こす公式です」
AFP