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イエメンのフーシ派、迂回するタンカーが増えるなか、米国の船舶を攻撃すると脅迫

2024年1月14日、イエメンのサヌア近郊で、直近の米国主導によるフーシ派を標的にした攻撃に対する抗議デモで行進する、フーシ派の警察官と部族支持者を乗せたピックアップトラックの車列。(ロイター通信)
2024年1月14日、イエメンのサヌア近郊で、直近の米国主導によるフーシ派を標的にした攻撃に対する抗議デモで行進する、フーシ派の警察官と部族支持者を乗せたピックアップトラックの車列。(ロイター通信)
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16 Jan 2024 03:01:38 GMT9
16 Jan 2024 03:01:38 GMT9
  • 米国に本拠を置く船舶運航会社イーグル・バルク・シッピングは、アデン湾沖100マイル(160km)を航行中、「正体不明の飛翔体」が当たったと発表した。

ワシントン:イエメンのフーシ派は、米国と英国によるイエメン国内の同組織拠点への攻撃を受け、今後も船舶への攻撃継続を誓うなか、紅海海域での標的を米国の船舶にまで拡大すると、このイランと同盟を結ぶ組織の関係者が月曜日に明らかにした。

11月以降、この海域の船舶に対するフーシ派の攻撃は、企業に影響を及ぼすと同時に、ガザ地区でのイスラエルとハマス武装勢力との3か月以上にわたる戦争が激化する状況で、主要国に警戒感を与えている。フーシ派はパレスチナ人との連帯を示すために行動していると主張する。

フーシ派のナスルディーン・アメル報道官はアルジャジーラに対し、先週両国がイエメンに対して行った攻撃により、英国と米国の船舶が「正当な標的」になったと語った。

「我々が標的にする船舶は、必ずしもイスラエルに向かっている必要はない。米国の船であるということだけで十分だ。米国は海上の安全を確保できなくなりつつある」とアメル報道官は話した。

フーシ派はこれまで、イスラエルの船舶またはイスラエルに向かう船舶のみを標的にするとしていた。

明らかになっている直近の攻撃として、イエメンのフーシ派部隊が月曜日に、米国が所有・運航するばら積み貨物船ジブラルタル・イーグルを対艦弾道ミサイルで攻撃したものの、負傷者や重大な被害の報告はなかったと米国中央軍は発表した。

米国に本拠を置くこの船の運航会社イーグル・バルク・シッピングは、同船がアデン湾沖100マイル(160キロ)を航行中に「正体不明の飛翔体」が当たったと発表した。この攻撃により、鉄鋼製品を積んでいた船の船倉で火災が発生したが、けが人はなく、船は航行を続けているという。

同日、これに先立って、英国の海上警備会社アンブリーは、マーシャル諸島船籍の米国所有ばら積み貨物船が、イエメンのアデン港付近を航行中にミサイル攻撃を受けたと伝えられたことを発表した。

アンブリーは、この船にイスラエルとの関係はないとした一方で、最近のフーシ派軍事拠点への攻撃に対抗して、米国の利害を標的にした攻撃であったとの評価をした。

今回の攻撃は、米国の攻撃を受けたところで、フーシ派を止めることはできないようであることを示唆している。

月曜日遅く、イエメンのフダイダ空港の近くで爆発音が聞こえたと住民たちが報告した。しかし、フダイダはアデンから少し離れており、爆発音の原因はまだわかっていない。

アジアからヨーロッパへの最速の貨物輸送ルートであるスエズ運河につながる紅海では、コンテナ船が一時停泊したり、迂回したりしている。多くの船は代わりに喜望峰を経由する長い航路をとらざるを得なくなっている。

月曜日の船舶追跡データによると、紛争の激化を受けて、少なくとも15隻のタンカーが進路を変更した。

LNGタンカー

世界第2位の液化天然ガス輸出事業者であるカタールエナジーも、紅海を回避する企業の仲間に加わったと、この問題に直接詳しい上級職の関係者がロイター通信に語った。

LSEG船舶追跡データによると、カタールのLNGタンカー「アル・ガリヤ」、「アル・フワイラ」、「アル・ヌアマン」はラスラファンで積み込みを行い、スエズ運河に向かっていたが、1月14日にオマーンで航行を停止した。カタールに戻る途中だった「アル・レカイヤット」は1月13日に紅海に停泊した。

前述の関係者は、カタールエナジーについて、「安全上の助言を得るために航行を一時停止しており、紅海の通過が依然として安全でない場合は、喜望峰を経由することになるだろう」とロイター通信に語った。

カタール政府とカタールエナジーはコメント要請に応じていない。

世界の船舶交通の約12%が紅海を経由してスエズ運河を通過している。

さまざまな海運会社が選択しているアフリカ喜望峰回りの長距離航路は、通常18日間のカタールからヨーロッパ北西部までの航行に、およそ9日間が追加でかかる。

フーシ派は、イエメンでサウジ主導の連合軍と長年にわたり戦争を続けているが、その照準を海へと変えて、パレスチナ人組織ハマスへの支持を示している。

米国は日曜日、フーシ派が米駆逐艦に向けて発射した対艦巡航ミサイルを戦闘機が撃墜したと発表した。そして、負傷者や損害は報告されていないとXで伝えた。

米国の同盟国である英国は、紅海での紛争に関与する気はないが、航行の自由を守ることに全力を尽くしていると語った。

月曜日、グラント・シャップス英国防大臣はフーシ派拠点へのさらなる攻撃の可能性について、「どうなるか見守る」とスカイニュースに語った。

中国もまた、同国の商業的利益を危険にさらしている紅海における民間船舶への攻撃の停止を求めた。

物資への影響

船舶が一時停止または迂回しているため、一部の物資供給路に影響が生じている。

月曜日、自動車メーカーのスズキは、紅海での攻撃により日本製エンジンの到着が遅れているため、ハンガリーのエステルゴム工場での製造を1月21日まで停止すると発表した。

一方で、エネルギー市場への影響は限定的であった。LSEGのデータによると、月曜日午後の取引で欧州のベンチマークガス価格は下落し、原油価格についても、先週石油ベンチマークが2%上昇した後、紛争による原油生産への影響が限定的であることから利益確定の動きが進み、約1%の下落となった。

ロイター

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