
ベイルート:14日、レバノン南部の村落に対するイスラエル軍の空爆により、子供6人を含む11人が死亡したと病院長およびレバノン治安筋3人が語る一方で、イスラエルは兵士1人を殺害したヒズボラのロケット攻撃に対応したと発表した。
レバノンの武装集団ヒズボラとイスラエル軍は、ヒズボラがパレスチナの同盟組織ハマス支援のために係争中のイスラエルとレバノンの国境を越えてロケット弾を発射した後、その国境沿いで4ヶ月以上にわたって交戦を続けている。
治安情報筋2人によれば、アル=サワナ村へのイスラエル軍の空爆で、女性と2人の子供が死亡したという。
ナバティエにある建物への空爆で、さらに子ども4人、女性3人、男性1人が死亡したと、同町のハッサン・ワズニ病院長および治安筋3人が報告した。ワズニ氏は、他に7人が負傷したとロイターに語った。
ヒズボラと治安筋によると、別の攻撃でヒズボラ戦闘員4人が死亡した。
ヒズボラ幹部で国会議員のハッサン・ファドララ氏は15日、レバノン南部への2回の攻撃があった後、イスラエルは報復に直面するだろうと述べた。「敵(イスラエル)はこれらの犯罪の代償を払うことになるだろう」。
ファドララ氏はロイターに対し、レバノン南部の国境沿いで敵対行為が始まって以来、一日でレバノンの民間人の死者数が最も多かった今回の攻撃に対するイランの支援する強力な武装グループ(ヒズボラ)の反応について質問された際、上記のように答えた。
14日のイスラエル軍の攻撃は、イスラエル北部の軍事基地への砲撃で兵士1人が死亡したのに伴い行われた。ヒズボラはこの攻撃への責任を認めていない。
ファドララ氏は、ヒズボラには「自国民を守る正当な権利があり、自国民を守るために必要なことはひるまず行う」と述べ、イスラエルがガザに対する戦争を停止するよう主張した。
レバノンのナジーブ・ミカティ暫定首相は、アブダッラー・ブーハビーブ外相に対し、14日の死傷者を出した攻撃について、国連安全保障理事会に新たな申し立てを行うよう指示した。
イスラエル軍兵士1人が死亡、8人が入院
イスラエル政府の報道官は記者団に対し、14日の朝、レバノンからのロケット弾攻撃でイスラエル軍兵士1人が死亡し、8人が入院したと述べた。
「何度も何度も明確にしてきたが、イスラエルは2つの戦線で戦争をすることには関心がない。しかし、挑発されれば、力強く対応する」とイラナ・スタイン報道官は語った。
「何万人ものイスラエル人が家を追われ、故郷に帰れないという現在の状況は耐え難い。彼らが故郷に戻り、平和で安全に暮らせるようにせねばならない」。
スタイン氏とイスラエル軍は、同国軍がレバノンからの国境を越えたロケット砲撃に対応したと述べた。
14日、イスラエル北部の自治体首長と会談していたイスラエル軍最高責任者ヘルツィ・ハレヴィ氏は、ヒズボラに対して挙げた成果にもかかわらず、今は「停戦すべき時ではない」と述べた。
ヒズボラ指導者のサイード・ハッサン・ナスララ氏は13日のテレビ演説で、ガザの完全停戦が達成された場合のみ、ヒズボラは銃撃戦を停止すると述べた。
国境を越えた砲撃により、レバノンではすでにヒズボラ戦闘員170人以上を含む200人以上が死亡、イスラエル軍12人前後とイスラエル市民5人が死亡している。また、両国の国境地帯では数万人が家から避難する事態になっている。
ロイター