
ジュネーブ:世界保健機関は1日、ガザでイスラエル軍の容赦ない攻撃が続く中、住民たちは飢えと絶望のあまり命を危険にさらしながら食料、水、その他の物資を探し求めていると語った。
WHOのクリスティアン・リンドマイヤー報道官はジュネーブで記者団に対し、「ガザのシステムは崩壊寸前というより、崩壊に足を踏み入れています」と話し、「ガザの全ライフラインがほぼ切断されました」と語った。
このことによって、ガザで人道支援物資を待つ人々が100人以上も殺害された先月29日のように、「絶望的な状況」が生み出されていると同氏は言う。
ガザの保健当局によれば、イスラエル軍は支援物資の到着を待っていたパレスチナ人らを射殺したのだという。一方、イスラエル側は、死亡事故の発生は支援トラックを囲んでいた群衆に責任があり、踏みつけられたり轢かれたりしたことが死亡の原因だと主張している。
「住民らは食料や新鮮な水、その他の物資を必死になって探し求めており、子どもたちや自分自身を支えるために、命を危険にさらしながらそれらを手に入れようとしています」と、リンドマイヤー報道官は話す。
支援物資はガザ地区南部には届いているものの、飢餓の危機を防げるほどの量は入ってきていない。また、北部にいたっては、主要な国境検問所から離れており、戦闘がより活発な地域を通過することでしかアクセスできないため、支援物資はほとんど届かない状況となっている。
リンドマイヤー報道官は、「食糧供給は意図的に妨害されています。それを忘れてはなりません」と語った。
イスラエルは、人道的ニーズを満たせるほど十分な支援物資がガザに届かないのは、国連が分配に失敗しているからだと述べている。
国連支援機関の高官は27日、出席した国連安全保障理事会で発言し、ガザ人口の4分の1は飢餓の一歩手前にあり、何も行動を起こさなければ大規模な飢餓は「ほぼ確実」だと警鐘を鳴らしていた。
ロイター