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中東・北アフリカ諸国はいかにして気候変動問題に立ち向かうか

ジョウフ州のドゥマット・アル・ジャンダル風力発電所は、サウジアラビアで最初にして最大の風力発電所であり、2022年に運用を開始し、99基のタービンが400MWの電力を生産している。(写真提供:Vision2030)
ジョウフ州のドゥマット・アル・ジャンダル風力発電所は、サウジアラビアで最初にして最大の風力発電所であり、2022年に運用を開始し、99基のタービンが400MWの電力を生産している。(写真提供:Vision2030)
サウジアラビア北部ジョウフ州に広がる6平方キロメートルのサカーカ太陽光発電所プロジェクトは、94万MWhの電力を発電し、7万5000世帯に十分なクリーンエネルギーを供給する。(SPA)
サウジアラビア北部ジョウフ州に広がる6平方キロメートルのサカーカ太陽光発電所プロジェクトは、94万MWhの電力を発電し、7万5000世帯に十分なクリーンエネルギーを供給する。(SPA)
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02 Mar 2024 05:03:57 GMT9
02 Mar 2024 05:03:57 GMT9
  • サウジアラビアとUAEは、将来の成長と繁栄を守るために、再生可能エネルギーと環境政策を活用
  • 今すぐ対策を講じなければ、2050年までに中東・北アフリカ地域の一部が異常気温と水不足により居住不可能になる可能性

スラファ・アルクナイジレベッカ・アン・プロクター

リヤド/ドバイ:中東・北アフリカ(MENA)地域は岐路に立たされている。気温が上昇し、水不足が深刻化し、砂漠化が広がる中、大胆な行動を起こさなければ、この地域の莫大な経済的潜在力は危険にさらされるだろう。

幸いなことに、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールは、自国の炭素排出量削減の約束を果たすためだけでなく、世界のエネルギー移行をリードするために、再生可能エネルギーの導入に取り組んでいる。

サウジアラビア北部ジョウフ州に広がる6平方キロメートルのサカーカ太陽光発電所プロジェクトは、94万MWhの電力を発電し、7万5000世帯に十分なクリーンエネルギーを供給する。(SPA)

こうした再生可能エネルギーの導入は、石油依存の経済からの多様化、炭素の改修・貯留・有効利用への投資、自然生息地の保護と緑地の拡大を目的とした政策の展開など、経済の多角化を推進する地域全体の動きと密接に関係している。

気候変動の影響に対して非常に脆弱であると考えられているMENA地域にとって、このような動きは重要だ。実際、いくつかの研究によると、極端な気温と水不足により、2050年までにMENA地域の一部は居住不可能になる可能性があるという。

昨年11月と12月、ドバイでは国連気候変動会議COP28が開催され、世界の平均気温が産業革命前より「1.5度」以上上昇するのを食い止めるための歴史的な対策に各国が合意した。

2023年12月12日、国連気候変動会議COP28の期間中、ドバイのエキスポシティの外を歩く人々。(AFP)

この合意は、「公正かつ秩序ある衡平な方法で、エネルギーシステムにおける化石燃料からの移行を図り、科学的知見に基づき2050年までにネットゼロを達成する」と呼びかけている。

また、気候変動に関連した損害の支払いを脆弱な国に援助するための基金の設立や、気候変動の影響を緩和するための世界の進捗状況に関する画期的な評価の公表も求めている。

さらに、2030年までに再生可能エネルギー容量を世界全体で3倍にすること、石炭使用量削減の取り組みを加速させること、炭素の回収・貯留・利用技術の採用を求めた。

すべての国が合意文書に満足したわけではないが、2015年のパリ協定で打ち出された野心をさらに発展させる、重要な一歩を踏み出したことになる。

2月20日、COP28のスルタン・アル・ジャベール議長は、国際エネルギー機関(IEA)のパリ本部で演説し、「UAEコンセンサス」で合意された目標を達成するには、世界のステークホルダーによる「前例のない行動」が必要だと述べた。

「連帯が極端な対立を克服し、包括性が非難を凌駕し、パートナーシップの精神が人類の最善を引き出した」と、彼はCOP28サミットについて語った。

「この精神を維持し、COP28で達成された勢いをさらに発展させるため、UAEコンセンサスは新たな方向性と明確な軌道修正を設定した。私たちは今、前例のない合意を、前例のない行動に変えなければならない。今こそ、全てのステークホルダーが前進する時だ」

2024年2月20日、パリの国際エネルギー機関(IEA)本部で開催されたCOPのエネルギーと気候に関するハイレベル・ラウンドテーブルで発言するCOP28のスルタン・アル・ジャベール議長がスクリーンに映し出されている。(AFP)

多くの西側諸国が気候変動に関する公約を後退させているように見える中、MENA地域はこの課題に立ち上がっている。

その大胆な例の一つが、2021年にムハンマド・ビン・サルマン皇太子が立ち上げた『サウジ・グリーン・イニシアティブ(SGI)』だ。これは、王国の環境を保全し、野生生物を保護し、何十億本もの木を植える一方で、持続可能な経済成長を可能にすることを目的としている。

「SGIの発足以来、王国の重要な生態系を保護し、保全するための一連のイニシアティブが実施されてきた」と、環境水資源農業省のオサマ・イブラヒム・ファキーハ副大臣はアラブニュースに語った。

オサマ・イブラヒム・ファキーハ氏

「例えば、サウジアラビア全土で植樹活動を推進している国家緑化プログラムは2つの重要な基本理念に支えられている。第一に、生態系のバランスを維持すること、第二に、再生可能な水資源を活用することである」

「このプログラムは、その生態系が時間とともに繁栄することを可能にする、自然に基づく再生アプローチに従っている」とファキーハ氏は述べた。

ファキーハ氏によると、SGIの下で、保護区の指定を通じて生物多様性のホットスポットを保護するために、いくつかの専用イニシアティブが実行されていると述べた。

「SGIはまた、意識を高め、経済セクターが生態系に与える悪影響を減らすことで持続可能性を促進することを目的としており、公共、民間、および第三セクターのすべてのステークホルダーを巻き込みながら、これらの取り組みを推進している」と彼は述べた。

サウジアラビアの国家緑化プログラムは2021年から本格的に始動している。(SPA)

王国が生物多様性を保護するためにとった他の重要なステップには、国家環境法に基づく専用の国家環境フレームワークの確立が含まれる。

この業務を遂行するために、国立野生生物センター、国立植生センター、国立環境コンプライアンスセンター、および国立廃棄物管理センターなど、複数の機関が設立されている。

同省の監督の下、ファキーハ氏は、これらの機関は「陸上、海洋、沿岸の生態系、土地と植生、環境メディア、廃棄物管理など、生物多様性保全に関連する重要な環境領域を規制・監視すると同時に、王国の生物多様性保全へのコミットメントを強調している」と述べた。

UAEでも状況は似ている。2021年の一般環境政策の下、当局は生態系の保全、多様化と経済繁栄の促進、気候変動と生物多様性への配慮を様々なセクターに統合し、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の達成を支援するために取り組んでいる。

海域を常に清浄に保つことは、UAEの持続可能な目標の一部である。(提供)

これらの計画はすべて、MENA地域の国々が気候変動の影響に対処することを望む場合に極めて重要である。気候変動はすでに降水パターンに影響を与え、水不足を引き起こし、農業に打撃を与え、それによって生活と食料安全保障が脅かされている。

特に湾岸諸国では、気候変動がすでに地下水の塩分濃度の上昇を引き起こしている。ワシントンにあるアラブ湾岸諸国研究所の報告書によると、地域の人口増加と降雨量の不足により、湾岸の水供給は今後20年間でさらなる圧力に直面するという。

そのため、これらの国々の当局者は、将来の成長と繁栄を守るために、これらの課題に対処し、適応するための計画を今立てることが重要であると考えている。

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