
ドバイ:イエメンの反政府勢力フーシ派に攻撃され、浸水しながらも持ちこたえていた船舶が紅海に沈没したとイエメンの当局者は2日、語った。ガザ地区におけるハマスに対するイスラエルの戦争に関連したフーシ派の作戦で、船舶が完全に破壊されたのはこれが初めてだ。
ルビマールの沈没は、アジアや中東から欧州に向けた貨物や燃料の重要な輸送路における海運に、フーシ派の攻撃が悪影響をもたらしている中で起きた。
すでに多くの船舶はこのルートを避けるようになっている。ルビマールの沈没により、迂回する船舶は増えるかも知れないし、この航路を行き来する船舶にかかる保険料はさらに高くなるかも知れない。また、世界的なさらなる物価高騰を招くとともに、この地域への援助物質の輸送にも悪影響を及ぼしかねない。
ルビマールはベリーズ船籍。2月18日にバブ・エル・マンデブ海峡を通過中にフーシ派の対艦弾道ミサイルの攻撃に遭い、その後、北に向かって漂流していた。同海峡は紅海とアデン湾をつなぐ重要な航路となっている。
イエメンの国際的に承認されている暫定政府と、現地の軍関係者はルビマールの沈没を認めた。この軍関係者は、本件に関してメディアの取材に答える権限がないことを理由に匿名を希望した。
ベイルートに拠点を置くルビマールの運航会社とは連絡が取れず、コメントは得られていない。
イエメンの暫定政府は2015年以降、サウジアラビア主導のアラブ連合軍の支援を受けている。同政府によれば、ルビマールは紅海が悪天候で荒れた1日遅くに沈んだという。ルビマールは攻撃後に乗員が退避して12日が経っていたが、安全な港までえい航を試みる計画が立てられていた。
フーシ派は、ルビマールは攻撃からそれほど時間を置かずに沈んだという嘘の発表をしていた。今回、沈没したことについてはまだ認めてはいない。フーシ派はイランの支援を受けている。
米軍の中央軍は、燃料と積み荷の肥料がルビマールから漏れており、紅海の環境汚染につながりかねないと警告していた。
AP