Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • イラン外相、米国がイスラエルにシリア領事館攻撃の「青信号」を与えたと非難

イラン外相、米国がイスラエルにシリア領事館攻撃の「青信号」を与えたと非難

ダマスカスでシリア側と会談するアミール・アブドラヒアン外相(2024年4月8日撮影)。(AFP=時事通信)
ダマスカスでシリア側と会談するアミール・アブドラヒアン外相(2024年4月8日撮影)。(AFP=時事通信)
Short Url:
09 Apr 2024 05:04:52 GMT9
09 Apr 2024 05:04:52 GMT9

ダマスカス: イラン外相は月曜、2人の司令官を含む7人のイラン軍関係者を殺害したシリアのイラン領事館攻撃について、米国がイスラエルに「青信号」を与えたと非難した。

イランのホセイン・アミール・アブドラヒアン外務大臣は、この領事館攻撃は、ガザやレバノンとの国境沿いで、イスラエルと戦う過激派を支援する、イランの軍事関係者を標的とした攻撃がエスカレートしたものだと述べ、イスラエルを非難し、テヘランの報復の誓いを繰り返した。

ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師が、月曜の演説で、イラン革命防衛隊コッズ部隊の司令官モハマド・レザ・ザヘディ氏を殺害し、戦争が中東の他の地域にまで飛び火する恐れを悪化させた、領事館攻撃に対するテヘランの軍事的対応を、支持することを強調した。

2024年4月1日、シリアのダマスカスで、イスラエルがイラン大使館近くの建物を攻撃したとイランのメディアが伝えた後、煙が上がる。(REUTERS)

半年前にガザで戦争が始まって以来、イスラエルとレバノンのヒズボラとの衝突が悪化している。ガザを支配し、10月7日にイスラエルを攻撃したハマスもまた、イランの支援を受けており、シリアとイラクの米軍基地と関連施設を標的とするイラク民兵の傘下組織でもある。

イスラエルは、イランの軍事関係者や同盟国を標的にした攻撃を定期的に行っているが、ザヘディ司令官の死はテヘランにとって、2020年にバグダッドでアメリカの無人偵察機が、コッズ部隊のカシム・ソレイマニ司令官を殺害して以来の大きな打撃となった。

「ここダマスカスから、アメリカには責任があり、責任を負わなければならないということを、非常に大きな声で言いたい」と、アブドラヒアン外相は記者団に語った。

ダマスカスを訪問したアブドラヒアン外相は、シリアのファイサル・メクダッド外相と会談し、領事館空爆とイスラエルのガザ攻撃を非難した。アブドラヒアン外相はまた、バッシャール・アサド大統領とも会談し、ガザや地域情勢について協議した。

イラン外相はその日のうちに、近隣のビルに新しい領事部を開設する式典を行ったが、ワシントンと「ヨーロッパの2カ国」は領事館への攻撃を非難しなかったと述べ、自身の主張を正当化した。

領事館攻撃を非難しなかったことは、「ワシントンが、イスラエルにこの犯罪を犯す許可を与えたことを示している」と述べた。

バイデン政権は、空爆の事前告知はなかったと主張している。アメリカはイスラエルの重要な軍事同盟国である。

イランに対する空爆を、通常認めないイスラエルは、シリアの首都での空爆についてはノーコメントだと発表した。しかし、国防総省のサブリナ・シン副報道官は先週、アメリカはイスラエルに責任があると評価していると発表した。

空爆後、イランの国営メディアは当初、ザヘディ司令官は2016年までレバノンとシリアでコッズ部隊を率いていたと伝えた。

その後、ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師は月曜の演説で、ザヘディ司令官は同組織にとって重要であり、この国で3度、4年間の任務を全うしたと述べた。

ナスララ師は、シリアやテヘランの他の主要な同盟組織同様、イランを支援することに変わりはないと述べている。

「イランにとっては当然の権利だ。(領事館襲撃に対して)イランがこのような対応をとるのは当然のことだ」とナスララ師は語った。

ナスララ師によれば、ザヘディ司令官の最初の任期は2002年までで、イスラエルのレバノン南部からの撤退を監督し、ヒズボラの規模拡大を助けた。ザヘディ司令官の2回目の任期は、内戦と化したシリアの反乱で最も激しい戦闘中で、テヘランとロシアは反体制勢力に対するアサド大統領の支援で重要な役割を果たした。ザヘディ司令官の最後の任期は2020年に始まり、彼が殺されたことで終わった。

ヒズボラ過激派とイスラエル軍は、ハマスがイスラエル南部を攻撃した翌日の10月8日以来、緊迫したレバノンとイスラエルの国境沿いで衝突している。

ヒズボラ指導者によれば、衝突が始まった瞬間、ザヘディ司令官は前線でヒズボラ武装勢力に加わろうとしたが、許可されなかったという。

月曜未明、イスラエルはレバノン南部上空を空爆し、ヒズボラの精鋭部隊ラドワン部隊のエリート司令官、アリ・アフマド・フセイン氏を殺害した。ヒズボラはフセイン氏の死亡を発表したが、他の戦闘員の死亡時同様、詳細は不明である。

イラン外相のシリア訪問直前に、これまで殺害された武装勢力の中でも最高幹部であるフセイン氏が殺害された。

イスラエルは、ヒズボラを当面の最も深刻な脅威と考えており、イスラエル全土を攻撃可能な、精密誘導ミサイルを含む、約15万発のロケット弾とミサイルを保有していると推定している。シリアの12年にわたる紛争に参加した、数千人の戦闘経験豊富な戦闘員を擁する同過激派組織は、さまざまなタイプの軍事用ドローンも保有している。

1月、イスラエル軍の戦闘機は、数十年にわたりヒズボラとともに戦った、ラドワン部隊のもう一人のエリート司令官、ウィッサム・アル・タウィル氏を空爆し、殺害した。

ヒズボラは、イスラエルとハマスの戦争を終結させる、ガザ地区での停戦が成立すれば、ロケット弾の発射停止を示唆している。イスラエル当局は、数万人のイスラエル人避難民を帰還させるため、ラドワン部隊が国境地帯から撤退することを要求している。

ワシントンとパリは、2006年夏の1ヶ月に及ぶ戦争以来、ヒズボラとイスラエルとの新たな全面戦争を防ぐため、国境沿いの戦闘停止の外交的解決策を見つけようと躍起になっている。

レバノンに戦火が拡大する危険性は、ヒズボラとその最も大きな敵対勢力である、キリスト教政党レバノン軍団との間に存在する、国内の政治的緊張を悪化させている。

レバノン軍は月曜、レバノン北部で誘拐された軍関係者の死亡を発表し、事態は悪化した。同軍は、車を盗もうとしたパスカル・スレイマン氏の誘拐と殺害の罪に問われている3人のシリア人を拘束したと発表した。

レバノン軍団は、軍の調査結果に疑問を投げかけ、政治的な暗殺だと考えていると述べた。

ナスララ師は演説の中で、ヒズボラが誘拐に関与していると非難したキリスト教政党とその同盟国の戦闘員を非難し、「根拠のない」危険な主張だと述べた。

AP

特に人気
オススメ

return to top

<