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「物資は底をついている」と外傷センターの医師が警告

イスラエルとハマスの紛争が続く中、ガザ地区南部のハーン・ユーニスでは、被災したパレスチナ人たちがテントを張っている。(AFP=時事)
イスラエルとハマスの紛争が続く中、ガザ地区南部のハーン・ユーニスでは、被災したパレスチナ人たちがテントを張っている。(AFP=時事)
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17 May 2024 12:05:22 GMT9
17 May 2024 12:05:22 GMT9

エルサレム:ガザ有数の外傷センターとなっている野戦病院では、これまで多くの紛争地域で働いてきた医師が、これまでに見たことのない「壊滅的」な状況だと語った。

国際医療団のガザ緊急対応責任者であるジャベド・アリ氏は、「壊滅的です」と語った。

今週、イスラエルに避難を命じられたラファ地区の北西にある野戦病院から語ったアリ氏は、はるか南の都市周辺の状況は「悲惨」だと述べた。

イスラエルが “人道地帯 “に指定したアル・マワシという海岸沿いの地域にあるこの病院は、数カ月で150床を超える施設に膨れ上がり、多数の白いテントと輸送用コンテナで構成されている。

国連機関によれば、ガザ最南部への地上侵攻が長らく懸念されていた5月6日に、ラファへの最初の避難命令が出されて以来、そこに避難していた140万人の半数近くが避難したという。

「大規模な人口移動があった」とアリ氏は言い、そのほとんどは、すでに劇的な過密状態にあったアル・マワシを避け、代わりに先月まで戦場となっていた戦禍の町ハーン・ユーニスへ向かったと付け加えた。

到着した人々は「疲れ果て、恐怖に怯え、手持ちのものもない」とアリ氏は言い、多くの患者が “お金と支援……そして家族を安全な場所に移せるように “と求めていると付け加えた。

ガザでの血にまみれた戦争は、ハマスによる10月7日の前代未聞のイスラエル攻撃から始まった。

イスラエルの報復攻撃によって、ガザでは3万5000人以上が死亡した。

アル・マワシのテントに避難している人の数はここ数週間、それほど増えていないかもしれないが、野戦病院に対するプレッシャーは確実に高まっている。

ラファの病院へのアクセスがほとんど遮断されているため、同病院の救急外来を訪れる患者数は、1日110人前後から300人近くにまで膨れ上がっている。

先週、ラファへの2つの主要な援助検問所が一時的に閉鎖され、医薬品や病院の発電機用の燃料の供給が途絶えたことも、状況を悪化させている。

アリ氏によれば、野戦病院は「こうなることは予想していた」し、余剰在庫を準備していたが、患者の急増は予測していなかったという。
「完全に手に負えなくなっています。我々の物資は持ちません」

野戦病院ではすでに “非常に重要な品目 “が不足しているという。

たとえば、20人ほどの子供たちが手術からの回復期に、「抗生物質と鎮痛剤のすべての小児用製剤」が不足した。

アリ氏によれば、最大の心配は「スペース」であり、大手術の件数は以前の1日平均約25件から倍増している。

また、産科病棟の仕事量も劇的に増加しており、1日約10件の分娩から約25件に増え、最大8件の帝王切開が行われている。

妊婦がラファにある産科専門病院を利用できないため、「複雑な妊娠の数も大幅に増えている」と彼は言う。

アフガニスタン、スーダン、ナイジェリア、ウクライナなど、紛争地帯で15年のキャリアを持つアリ氏にして、ガザの状況は「はるかに破滅的」だと述べた。

「膨大な数の外傷、資源の不足、途絶えたサプライチェーン……。見たこともない光景です」

たいていの戦争では、銃創や榴散弾による負傷の大半は男性が占めるが、ガザでは女性や子どもの負傷者が「非常に多い」と彼は言い、「手足が粉々になった」幼い子どもたちの姿を描写した。

国連によれば、戦前にガザにあった36の病院のうち、部分的に機能しているのはわずか3分の1しかなく、避難民はしばしば医療施設から遠く離れている。

アリ氏は、アル・マワシにある野戦病院は、ガザ南部における「主要な外傷紹介センター」だと語った。

AFP

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