
エルサレム:イスラエル軍は24日未明、ガザ南部のラファを空爆し、少なくとも12人のパレスチナ人を殺害した。
イスラエルは、ガザ地区とエジプトとの国境近くの緩衝地帯を制圧し、ガザの陸上境界線全体に対する実効的な権限を与えたと発表した翌日、ラファへの攻撃を強行した。
緩衝地帯を占領したことで、7ヶ月以上にわたる戦争の間、パレスチナのイスラム過激派組織ハマスがガザに武器を密輸するために使っていたルートが遮断されたという。
ガザの医療情報筋によると、12人のパレスチナ人は民間人であり、ラファの中心部で民間人の遺体を回収しようとしていたところをイスラエルに空爆され、死亡し、その他不特定多数のパレスチナ人が負傷したという。
また、ガザ市の西、人口密集地の北にあるアル・シャティ難民キャンプへの空爆で、別のパレスチナ人市民が死亡した、と衛生兵は述べた。
イスラエルは、ガザ南部、中部、北部での衝突を報告したが、戦争初期に数十万人の避難民が避難したラファでの死者についてはすぐにコメントしなかった。
イスラエルは、国連の最高裁判所である国際司法裁判所(ICJ)が攻撃を停止するよう命じたにもかかわらず、ラファへの空襲を続けている。イスラエル軍は、ハマスの戦闘員を根絶し、そこに拘束されている人質を救出するためだと言っており、ICJもまた、ハマスによってガザに拘束されている人質の解放を求めている。
イスラエルによるガザでの空戦と陸戦で36,000人以上のパレスチナ人が死亡し、そのうち53人がこの24時間で死亡したとハマスが運営する保健省が発表した。
イスラエルは、昨年10月7日にハマスの戦闘員がガザからイスラエル南部に侵入し、1,200人を殺害、250人以上を拉致した後、攻撃を開始した。
イスラエル軍は、ガザ北部での戦闘で兵士が死亡したと発表し、10月20日の最初のガザ侵攻以来、イスラエルの戦闘損失は292人となった。
トンネル、武器、爆発物
ロイド・オースティン米国防長官との夜間の電話会談で、ヨアヴ・ガラント・イスラエル国防相は、ラファ地区でのイスラエル軍の活動の継続的重要性を強調した。
「ガラント大臣は、20のテロ・トンネルが確認されたラファ地区でのイスラエル国防軍の活動について詳述した」とイスラエル国防省は電話会談に関する声明で述べた。
イスラエル軍はまた声明で、ハマスが密輸や戦闘員の地下移動に使っていたトンネルが今回の空襲で発見され、大量の武器や爆発物も発見されたと述べた。
イスラエルの声明は、密輸用トンネルがどこから続いているのかについては言及していない。イスラエル政府関係者は5月15日、ラファとエジプトのシナイ半島を結ぶトンネルが50本あると述べ、ハマスがこのトンネルを使って幹部工作員や人質をエジプト領内に密入国させる可能性があると懸念を表明した。エジプトは15日、そのようなトンネルの存在を否定した。
イスラエルの最も近い同盟国であるアメリカは、火曜日、ラファでの大規模な地上攻撃に改めて反対を表明したが、そのような作戦が進行中だとは考えていないと述べた。
米国はエジプトやカタールとともに、イスラエルとハマスの停戦と残りの人質解放に関する間接的な協議の仲介に尽力してきた。この協議は停滞しており、双方は進展がないことを相手のせいにしている。
戦争が長引く中、ガザでは援助物資の供給が滞り、栄養失調が蔓延している。
国連パレスチナ難民救済機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ代表は、イスラエルによるUNRWAスタッフやガザの建物への攻撃をやめるよう求めた。
『ニューヨーク・タイムズ』紙の記事の中で、彼はイスラエル当局者が「UNRWAを事実上テロ組織と決めつけることで委縮させている」と述べ、「国連職員や施設を日常的に標的にしている危険な前例」について述べた。
彼の発言は、ガザにいるUNRWA職員13,000人のうち12人が10月7日のイスラエル攻撃に参加したという1月のイスラエルによる申し立てに続くものだった。イスラエルは彼の発言にすぐには反応しなかった。
ガザ紛争は、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区(パレスチナ人が国家樹立を求めるもうひとつの領土)でも暴力を煽った。
イスラエルによると、ヨルダン川西岸の都市ナブルスで一晩中発生したパレスチナ人によるひき逃げで兵士2人が死亡した。パレスチナ側からの犯行声明はない。
ロイター