
ガザ:ガザのパレスチナ組織は28日、人口が過密するパレスチナ自治区でコロナウイルスが感染拡大することを懸念される中、イスラエルとの境界付近で来週予定されていた大規模集会を中止すると発表した。
この集会は「30日の大行進」と呼ばれ、1948年のイスラエル建国時に追放されたパレスチナ人が土地を取り戻すために毎週行っているデモ「帰還の大行進( Great March of Return)」の2周年を記念したものだった。
過激派組織「イスラーム聖戦」の幹部Khaled Al-Batshは「死のパンデミックに直面している人々の安全を保つため、30日のデモには行かず、家にいるよう呼びかけています」と述べた。
その代わり、ガザ市民にはパレスチナの国旗を屋根の上から掲げ、イスラエルの国旗を燃やすよう求めたという。
ガザの医療当局によると、デモの間に境界線の反対側からイスラエル軍が発砲し、215人のパレスチナ人が殺害され、8,000人が傷を負った。この数ヵ月で、毎週行われるデモの規模は小さくなっている。
デモの最中に1人のイスラエル兵がパレスチナのスナイパーに殺害された。イスラエルは、抗議行動は境界線を突破しようとする過激派の隠れみのとしてよく利用されており、多くの抗議者が部隊に向かって石や爆発物を投げたと述べた。
2019年の国連人権理事会調査団の報告によると、イスラエル軍が戦争犯罪や人道に対する罪を犯した可能性があり、犠牲者には子どもや救急救命士も含まれていた。
これまでパレスチナ自治区で確認されているコロナウイルス感染者のうち、9人はガザで確認されている。
デモの間は銃による傷や切断手術に追われていたガザの病院は、今や200万人のパレスチナ人を抱える(その多くが難民キャンプで生活する)沿岸の居住地で、コロナウイルスを封じ込めるという難題に備えている。
ロイター