Najia Houssari

ベイルート：レバノンのミシェル・アウン大統領は、イースターに「社会的距離」を強化するという政府の決定を遵守し、レバノンのマロン派教会の司教座があるブケルケで開かれた伝統的ミサには出席しなかった。

マロン派のベチャラ・アル・ラヒ総主教が数人の司祭とミサを行い、テレビで放送された。

アウン大統領はレバノンの人々に「死の思想とその影響に屈しないように」と呼びかけた。

「この共有の苦しみは、精神的連帯と有効的価値という実を結ぶべきであり、それにより我が国は、この苦しみから回復したのち、所属に関わらず全員を誇りに思い、生命の地平線に向かって前進するよう復活するだろう。」と大統領は付け加えた。

レバノンは、コロナウイルス（COVID-19）の蔓延を阻止するため、日曜日に外出禁止令を施行した。

保健省は従来的メディアおよびソーシャルメディアを通じて啓発メッセージを送り、人々に外出しないよう呼びかけ、違反の場合は5万リラ（33ドル）の罰金を科すことを警告した。

ハマド・ハッサン保健相は、COVID-19感染数の日々の増加が劇的ではないことを受け、レバノンはパンデミックを抑制していると述べた。

保健省は日曜日の日報で新たな確認感染数を11人と発表し、2月21日の最初の感染例確認以来、レバノンでの総数は630人となった。

感染者の69％は軽度から中度で、22％は無症状、9％が重度である。孤立化した町ブシャーリーで感染数の顕著な増加が記録されている。日曜日の時点で、1人増加し、感染数は56人に達した。

レバノンの人々に対して実施された検査数は12,713件に達した。

保健省は、土曜日に帰国したレバノン人国外居住者に対して行われた検査は陰性という結果が出たと強調した。 これには、クウェートから帰国した123人のレバノン人、ドバイからの126人、ルンダからの148人、ローマからの122人が含まれる。

保健省は、帰国者は自主隔離を守る必要があり、同省により毎日観察されるべきことを強調した。

他国と同様に、COVID-19に感染した可能性のある人々、その家族、および感染していないことを確認するために自主隔離を指示された人々にパニックが生じている。オストラシズム（排斥）が社会的弱者に影響を与えている。

ティルスのパレスチナ難民であるタクシー運転手は、ブルジュエルシマリ収容所でインフルエンザの症状が疑われ、検査を受けた。パレスチナ国家治安部隊、パレスチナ市民防衛隊、委員会、治安部隊は彼をシドンのアルハムシャリ病院に移送し、家族全員を隔離し、接触者全員を追跡した。 病院長のRiad Abu Al-Einenは、検査結果は陰性と発表したが、患者は14日間の自主隔離を実施し、毎日健康状態の監視を受けるよう指示された。

マウントレバノンのマトン地区は引き続き感染数が最も多い地域の1つであり、マリリン・ハダード市長は次のように述べた。「ウイルスは誰でも感染する可能性がある。よって、患者は排斥や否定的な扱いを受けるべきではない。患者の人間の尊厳を守るべきである。」

ハダード市長はマトンの住民に「害を及ぼすことなくお互いに目を配り」、「差別なく共に貢献する」というスローガンの下で人道的活動を継続するよう呼びかけた。

心理学者であり社会保健医であるアハメド・アルマグラビ博士はアラブニュースにこう語った。「COVID-19は世界中で大規模なパニックを引き起こしてる。このウイルスの影響はもはや無害ではない。人々はこのウイルスで1日2,000人が死亡するというニュースを耳にしている。 これはパニックを引き起こし、それを正当化しているが、患者を殺人者のように扱うことは正当ではない。ウイルスの流行が人々を殺しているが、患者が殺しているのではない。」

アル・マグラビ博士はまた、次のように付け加えた。「回復した患者の血液は海外で治療法を見つけるために使用されている一方で、私たちは患者や回復した人々から逃げている。 現在、人々はこの事態の最中にあり、論理的に行動していない。 パンデミック終息後の影響は重大に違いない。」