
ロンドン:アラブニュースがYouGov社に委託して実施した調査によると、アラブ系アメリカ人の62パーセントが、政治的には穏健派(35パーセント)、リベラル派(13パーセント)、非常にリベラル派(13パーセント)と自己評価しているにもかかわらず、大多数が国内の2つの主要問題、すなわち不法移民と中絶に関しては保守的な見解を示していることが明らかになった。
移民または移民の子孫である人々にとって最も意外な結果かもしれないが、回答者の56パーセントが米国の国境管理を強化すべきだと考えている。
しかし、国境管理を緩和すべきだと考える人も24%おり、これは民主党候補者でも共和党候補者でもないリベラルな見解である。55歳以上の回答者のうち、管理の緩和を望む人はわずか5%であった。
回答者の51%は、米国には不法移民が多すぎると考えている。この見解は55歳以上(61%)と学歴が最も低い人(66%)の間で最も一般的である。
「興味深いことに、アラブ系アメリカ人の間では移民問題が非常に大きな位置を占めているようだ」
「正直なところ、私自身も移民であるため、この結果にはまったく驚かなかった」と、ワシントンにある中東研究所の上級研究員であるフィラス・マクサド氏は、ポッドキャスト「フランクリー・スピーキング」で語った。
さらに同氏は、「合法的に移民し、手続きを踏んで税金を納めている人々は、列に割り込んで適正な税金を納めていない人々に対して強い不快感を抱く傾向にある」と付け加えた。
これは、アラブ系アメリカ人の間でドナルド・トランプ共和党候補への支持率が高い理由を部分的に説明できると彼は述べた。
問題として、「不法移民は、トランプ候補(民主党候補のカマラ・ハリス氏ではなく)に有利に働くことが多い」とマクサド氏は付け加えた。
しかし、回答者の3人に1人は、米国には不法移民が多すぎるとの指摘を否定し、16%は「わからない」と答えた。
中絶に関しては、選択権を支持するハリス氏と、1973年以来、米国で妊娠中絶の権利を保証してきた画期的な判決であるロー対ウェイド事件の最高裁判決を覆した責任があるとされるトランプ氏との間の重要な対立点のひとつであるが、アラブ系アメリカ人は概して保守的な見解を持っていることが明らかになった。
中絶を完全に禁止すべきだと考える人は14%(男性では17%、女性では11%)に過ぎないが、40%が「 「中絶は、レイプや生命の危険がある場合など、特定の状況下でのみ許可されるべきである」という意見に賛成している。この意見を持つのは、女性(37%)よりも男性(44%)の方が多い。
しかし、妊娠9週目までは中絶を認めるべきだという意見に賛成している人もほぼ同数(38%)おり、これは公式には胚が胎児に成長する時期である。女性(44%)の方が男性(33%)よりもこの意見に賛成している。
多くのアラブ系アメリカ人が懸念している問題のひとつは、人種、宗教、出身国に関連した人種差別、嫌がらせ、憎悪攻撃の経験である。46%が経験があると答え、50%は経験がないと答えた。
興味深いことに、この調査で明らかになったトランプ氏への支持(トランプ氏に投票すると答えた人は45%で、ハリス氏に投票すると答えた43%を上回った)を踏まえると、回答者の46%が、トランプ大統領就任中にはアラブ系アメリカ人に対する人種差別やヘイト攻撃が増加すると予想していると答えた。一方、ハリス大統領就任中の場合は23%にとどまった。
回答者の39%は、ハリス氏はトランプ氏(31%)よりもアラブ系アメリカ人の国民的ニーズにより敏感であると見ている。