Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • フーシ派が元文化相を拉致、猛批判浴びる

フーシ派が元文化相を拉致、猛批判浴びる

パレードに加わるフーシ派民兵。イエメン、サヌア。2017年12月19日。(ロイター)
パレードに加わるフーシ派民兵。イエメン、サヌア。2017年12月19日。(ロイター)
Short Url:
20 Apr 2020 09:04:34 GMT9
20 Apr 2020 09:04:34 GMT9
  • フーシ派は今年に入って何十人もの議員・閣僚・軍司令官に死刑を宣告するなど反対派への統制を強めている

【ムカッラー】19日、イランが支援するフーシ派とつながる武装一味がサヌアの自宅にいたイエメンの元文化相を拉致した。元大臣の息子が明らかにした。

Facebookにはワッダーフ・アッ=ルワイシャーン氏のこんなコメントが掲載された。「30分ほど前、フーシ派の連中に父を拉致された」。委細については明らかでなく、フーシ派も拉致疑惑について何も触れていない。

高名な作家・詩人であるハーリド・アッ=ルワイシャーン氏は、かねてフーシ派について、権力を収奪し、意見を異にする者を弾圧し、イエメン全土に軍事力を拡大させてきたとして難じている。

アッ=ルワイシャーン氏にはツイッターで9万3,000人超、Facebookで40万人のフォロワーがおり、イエメンでも最も敬重されている知識人の一人だ。フーシ派にも反フーシ派にも偏ることなく批判の声を上げる。

最近同氏はFacebookにあるイエメン人詩人について投稿しており、今回の拉致と関係づける向きもある。この詩人は、フーシ派によるマアリブへの軍事攻撃を防いだ戦闘員らの武勇を称えていた。

アッ=ルワイシャーン氏は11日、Facebookで知己の詩人であるアーミル・アッ=スワイディー氏に次のようにコメントしている。「よくできた詩だから、イエメン中の学校で朝、生徒たちに吟じさせたらどうか」

サヌアで鉄砲水が発生した影響で職を失った労働者が何万といるのに、フーシ派配下のサヌア市内の商家やフーシ派権力は金銭的な支援の手を差し伸べなかった。これについても4月15日付けで同氏は批判していた。

「フーシ派の統治下では、人心はあるいはなきものとなりあるいは石化した」とした部分には「いいね」が何万とつき、コメントも数百件寄せられた。

アッ=ルワイシャーン氏拉致の報を受け、ソーシャルメディアでは現職元職の閣僚、ジャーナリスト、作家らが強い抗議の声を上げた。また、同氏のファンらもフーシ派を責め立てただちに解放するよう求めた。

イエメンで人権問題を管掌する国務相を務めるムハンマド・アスカル氏は国連の介入を呼びかけた。

「最も強い言葉でフーシ派民兵らがハーリド・アッ=ルワイシャーン氏を放恣に拘禁したことを非難する。人権団体および国連イエメン特使には要請を出し、フーシ派に圧力を加えて同氏を無条件解放させるようにしたい」とアスカル氏はツイートしている。

イエメン前首相で大統領顧問を務めるアフマド・ビン・ダグル氏は、国内でも辛口の評言で鳴る作家を拘禁するという「愚行」をフーシ派は犯したとし、耳障りな声を圧しつづけていればやがてはフーシ派支配にあらがう革命ののろしが上がるはずだとしている。

サヌア在住中にフーシ派の捕縛と暗殺を逃れた弁護士兼活動家のムハンマド・アル=マスワリー氏は、早晩フーシ派はアッ=ルワイシャーン氏を投獄するだろうとみていたと語っている。

「フーシ派はアッ=ルワイシャーン氏に目を付けていたのだ」とアル=マスワリー氏はツイートしている。

アッ=ルワイシャーン氏のことを敵と通じた「裏切り者」だとするツイッター匿名アカウントもある。

フーシ派は今年に入って何十人もの議員・閣僚・軍司令官に死刑を宣告するなど反対派への統制を強めている。

今月初めにはフーシ派の息のかかった法廷がスパイ容疑で4人のジャーナリストに死刑を宣告、国内外から批判の声が渦巻くこととなった。

特に人気
オススメ

return to top

<