ジュネーブ:昨年10月7日の攻撃に端を発するイスラエルのガザ地区への侵攻開始以来、レバノンでは230人近くの医療従事者が死亡したと世界保健機関(WHO)が発表した。
国連の保健機関によると、ガザ地区を巡る紛争をめぐりイスラエルとヒズボラの間で13ヶ月以上にわたって国境を越えて行われた攻撃により、レバノンでは医療施設に対する攻撃が合計187件発生した。
レバノンのWHO代表アブディナシル・アブバカル氏は、ベイルートからのビデオリンクを通じて、「2023年10月7日から今年11月18日までの間に、合計で226人が死亡し、199人が負傷した」と述べた。
同氏は、これらの事件の「ほぼ70パーセント」が、9月に緊張状態が全面戦争にエスカレートして以降に発生していると述べた。
これは「非常に憂慮すべきパターン」であるとし、「一般市民を救命医療から遠ざけ、医療従事者を標的にすることは、国際人道法違反である」と強調した。
アブバカル氏は、「レバノン紛争の特徴は、医療への破壊的な影響の大きさである」と述べ、これらの攻撃の47パーセントが「少なくとも医療従事者または患者の1人の命を奪っている」ことを強調した。これは、現在進行中の紛争の中で最も高い割合である。
これに対し、アブバカル氏は、ウクライナ、スーダン、占領下のパレスチナ自治区など、さまざまな紛争状況におけるデータに言及し、同時期に世界中で医療施設に対する攻撃で死亡者が出たケースは13.3%に過ぎなかったと述べた。
レバノンで医療施設に対する攻撃による死亡者の割合が高いのは、「救急車が標的とされるケースが増えている」ためではないかとアブバカル氏は指摘した。
「救急車が標的とされるたびに、実際、3人、4人、5人の救急救命士が…殺されることになる」
紛争はレバノンにおける医療全体に深刻な打撃を与えた。レバノンは近年、深刻な危機が相次ぎ、すでに大きな打撃を受けていた。
WHOは、レバノンの153の病院のうち15の病院が、業務を停止しているか、または部分的にしか機能していないと警告した。
WHOの東地中海地域担当ディレクターであるHanan Balkhy氏は、「医療に対するこの規模の攻撃は、医療を必要としている人々が最も必要としている時に、医療制度を麻痺させてしまう」と強調した。
「命が失われるだけでなく、医療従事者の死は、長年の投資と、脆弱な国が前進するための重要な資源の損失でもある」
AFP