• 1万人近くが死亡し、100万人以上が感染した後、レバノン国民の半数はワクチン接種を受けた
• 「我々はウイルスと共存し、一般的な風邪のようになると信じている」と、ベイルートの看護師長がアラブニュースに語る

ナジャ・フーサリ

ベイルート：レバノンは、「危機的で困難な状況」が発生したにもかかわらず、新型コロナのパンデミックに上手く対処できてきたと、保健当局のトップが21日、アラブニュースに語った。

レバノンは「公的機関が崩壊したにもかかわらず、死亡率を許容範囲に抑えながら、パンデミックの波を乗り越えてきた」と、感染症の専門家で国家コロナウイルスワクチン管理委員会委員長のアブドゥル・ラーマン・ビズリ医師が語った。

「官民、特にボランティア分野での真のパートナーシップ、科学的なやり方での連携、世界中で取られた対策をレバノンの現実に合わせたことが、このような成功につながった」と、ビズリ氏は語った。

予防措置の段階的廃止はまだ承認されていないものの、世界の他の国々と同様に、レバノンもウイルスとの共生を学んでいる。

レストランやカフェは、週末には混雑し、屋外席が確保されているところは特に込み合っている。

レバノンで初のコロナウイルス感染が報告されてから2年が経過し、現在までの累計感染者数は104万3028人となっている。死亡者数は20日、9970人に達した。

1日の新規感染者数は、この2ヵ月間でピーク時の1万人から4000人未満に減少している。

「我々はウイルスと共存し、一般的な風邪のようになると信じている」と、ベイルートのアル・マカセド慈善病院診療科看護師長のアイダ・ヌーリ氏は述べた。

ヌーリ氏によると、同病院で記録された新型コロナの変異株による死者の95%は、ワクチン未接種者だったと語った。

ワクチン接種者は基本的な症状を患っているが、最近は非常に軽症化しており、入院の必要はないと、ヌーリ氏は述べた。

1週間前に出された報告書の中で、レバノン保健省は、「検査陽性率の低下と局所的発生率」について指摘した。

この報告書は、今後2ヵ月以内にオミクロン変異株の波の終了へと至るカウントダウンの段階が始まっていることを示した。

同省の医療日報によると、現在ウイルスに感染している人のうち、最も多い割合が、ワクチン未接種者で、77％となっているという。

ワクチン接種の登録を行った人の数は370万人以上にまで上昇している。これは、保健省のプラットフォーム上で登録を行い、ワクチンを受ける予定の人、または、接種を受けた人の数が、人口の68.3%を超えたことを意味する。

ビズリ氏によると、「レバノンは、世界中でより望ましいとされていることから、RNA型ワクチンに頼って接種活動を行っている。レバノンは、ヨーロッパと米国からのこれらのワクチンの寄付を受けている」という。

ビズリ氏は、「まとまった数のワクチンがすぐに届くかどうか次第だが、レバノンは6歳から12歳の子どもへワクチンを接種する新たな段階の準備を行っている」と述べた。

コロナウイルスは、「パンデミックからエンデミックに移行し始めている。これは、動物から人間に伝播したウイルスが、人間の間で、ただし新しい形で生きるために適応していることを意味する」と、同氏は述べた。

「コロナは、生き続けるために、人間のウイルスのように振る舞っており、これは、ウイルス的には理にかなっている。拡散する能力を高め、免疫システムを回避し、ウイルスを運ぶ人を殺さないように最小限の疾病症状を引き起こす。これが、オミクロン株で我々が目にしたことだ」

ビズリ氏はまた、ワクチン接種プロセスを台無しにした混乱や違反、汚職についても語った。

PCR検査の結果やワクチン接種証明書では、いくつかの不正事例が報告されている。

ビズリ氏は次のように述べた。「これは、国民全員に社会保障番号がない国のセキュリティ状況の低下に関連したものだ」

「さらに、電子的なファイアウォールは強固でなく、最も危険なのは、実行犯が責任を問われたり、罰せられたりしていないということだ」

「しかし、能力が限られているにも関わらず、レバノンは堅実で注目に値する成果を挙げた」