


カイロ:エジプトの粗末な病院システムでは多くの医療従事者が、独自の保護具を用意しなければならないため、デジタルデザイン会社が3Dプリントのフェイスシールドを製造開始したことを彼らはありがたく受け入れた。
新型コロナウイルスが初めてエジプトを襲って以来、医師のヤヒヤ・ディワー氏はカイロ病院の集中治療室の責任者として夜勤を行ってきた。
ディワー医師の勤めるシェイク・ザーイド・アール・ナヒヤーン病院は首都の低所得者層の住む郊外にあり、以来約100人のCOVID-19感染者を受けいれており、スタッフが感染のリスクに晒されている。
そのため、ディワー医師は先月カイロを拠点とするテクノロジー企業であるGiza Systems(ギザ・システムズ)によるソーシャルメディアの投稿が広くシェアされているのを発見したとき、Facebook経由で最初に連絡を取った者の1人であった。
同社はデジタルプリント技術を主に用い、Project Nitrousという名の研究所で、障害者のための補助機器を製造している。
政府のデータによると、このウイルス流行によりエジプトではこれまでに4,000人以上に感染し300人の命が奪われてきた。そこで、同社はすぐに行動を起こした。
同社はプラスチックに印刷し、レーザーで切り取り、簡単に組み立てが可能なフェイスシールドを設計し、数千人の医師に無料でこのデバイスを届け始めた。
「このフェイスシールドを着用すると安全に感じ、デザインは洗練されています。」とディワー医師はAFPに語った。「ゴーグルのセットを着用するよりも楽で、簡単に掃除ができます。」
Giza Systems教育財団の理事長であるモハメド・エル・ホサリー氏は、通常の同社の業務は「障害者のための日常的な解決策」を生み出すことを目的としていると語った。
「弊社は補助機器の技術経験があるので、病院に行き、そこで必要なものを尋ねました。こうしてフェイスシールドの製造を思いついたのです。」
同社は現在、全国の医療従事者に1日あたり約2,000枚のフェイスシールドを配布しており、約25の公立および私立病院と提携している。
大学生のアブデル・ラジック・サブリー氏(21歳)のようなボランティアが、デバイスを配送用に梱包し支援している。
「医師だけでなく、社会や国を助けるためにできることがあるならば、何もせずに家に座っていたくはありません。」と彼は述べた。
ディワー医師のチームの最前線での取り組みが評価された。彼の病院は、ウイルス感染者が回復可能な重要な隔離病棟の1つとして厚生省によって選ばれた。
ディワー医師はFacebookに投稿したメッセージの中で、「COVID-19に対抗して人々のために戦うことを非常に恐縮で光栄に思います。」と述べ、自分のスタッフとテクノロジー企業に敬意を表した。
AFP