• 2022年ワールドカップの準備期間に人権侵害を受けた数十万人の移民労働者に対し、FIFAは少なくとも4億4000万ドルの賠償金を用意すべき

ロンドン: 人権団体のアムネスティ・インターナショナルは19日、サッカーの運営団体であるFIFAに対し、2022年ワールドカップ賞金総額と同額の賠償金を、主催国カタールで「侵害を受けた」移民労働者に支払うよう強く要求した。

この要求は他の人権団体やファングループからも賛同を得ており、11月21日から始まる大会に向けての数年間、インフラを整備するためアラビア湾岸の小国に殺到した労働者を搾取から守ることにおいて、FIFAが乗り気ではないという主張を支持している。

「FIFAは2022年ワールドカップの準備期間において、カタールで人権侵害に苦しんだ数十万人の移民労働者に対し、少なくとも4億4000万ドルの賠償を行うべきだ」とアムネスティは報告書に付随する声明で発言した。

ロンドンに本拠地を置くアムネスティはFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長に対し、「広範囲にわたる賠償プログラムをカタールと共に構築する」よう、強く要求した。

アムネスティによると「延々と続く侵害」は、FIFAがカタールでの大会開催を決定した2010年から、「労働保護においていかなる改善も要求されないまま」行われてきた。

「カタールでの人権侵害の歴史について、カタール大会が決定した時にFIFAが知っていたか、または知っておくべきだったことは、労働者への明白なリスクだった」とアムネスティのアニエス・カラマール事務局長は言った。

アムネスティによると、中には今も続く侵害行為があり、4億4000万ドルは賠償請求を賄い、今後賠償の履行を率先して拡大していくための、「必要最低額」であるとのことだ。

この額は今年行われるワールドカップの賞金総額とほぼ同額だ。アムネスティの要求はインファンティーノ会長への公開状で支持を受けており、Migrant RightsやFootball Supporters Europeなど、その他9つの組織による署名もあった。

コメントを求められたFIFAは、「アムネスティにより提示された（カタールでの）プログラムを評価中」で、「2010年以降の広範囲にわたるFIFAワールドカップに特有の公共インフラ以外のものが含まれている」と強調した。

カタールワールドカップの主催者側は、国際的グループと共に、スタジアムやその他の大会プロジェクトで働いた労働者の権利のため、「たゆまず働いてきた」と言っている。しかし多くの批判は、この10年間で数百人が亡くなった、公式の大会とは別の建設に向けられている、とのことだ。

「居住水準、安全衛生規制、苦情処理メカニズム、保健医療の提供、違法な職の斡旋料の労働者への補償に対して、相当な改善がなされた」と、主催者側である伝送と遺産の最高委員会の広報担当者は言った。

「FIFAワールドカップカタール2022の事前・事中・事後において、この大会は持続可能な人間と社会の遺産を伝えていくための、強力な触媒として今も今後もあり続ける」。労働者の訴えは、未払い給与から、仕事を得るための平均1,300ドルの「違法」かつ「法外」な職の斡旋料、怪我や死亡に対する補償金にまで及ぶ。

ワールドカップの建設現場での改善や、2014年以降導入された労働法改正などに見られる、FIFAとカタールによる自主性を、アムネスティは歓迎している。

カタールでは2017年に最低賃金が導入され、厳しい暑さとなりそうな労働時間は削減され、移民労働者が転職時や出国時にさえ強いられていた、雇用主からの許可を必要とする制度の一部を廃止した。

労働者は労働裁判所に行くことができ、政府の検査官がさらに任命された。主に南アジアからの外国人労働者が、カタールの人口280万人のうち200万人以上を占めている。

しかしアムネスティによると、これまで労働者わずか約48,000人分の職の斡旋料回収しか始まっていない。

It said the requested $440 million represents only a “small fraction” of the $6 billion in revenues FIFA is expected to make over the next four years, much of it from the World Cup.

要求された4億4000万ドルは、FIFAが今後4年超の間に、その多くをワールドカップから手にする60億ドルの収益のうち、ほんの「一部」にしか過ぎない、とのことだ。

AFP