
ドバイ:イスラエルの新聞『Haaretz』によると、ソーシャルメディア上でイスラエルの物語を宣伝するために設計されたAIボットが、自らを親パレスチナ派マシーンに変身させたという。
FactFinderAIは、2023年10月のイスラエルのガザ攻撃開始時に、イスラエルの敵対行為に関する「誤った情報」に対抗するために開発されたと言われている。
しかし、このボットはX上で反イスラエル・ナラティブを生成し、ガザ住民との連帯を呼びかけ、パレスチナ人支援のために寄付できる慈善団体をフォロワーに紹介している、とHaaretz紙は報じている。
このボットは、2023年10月7日のハマスの攻撃でイスラエル人の家族が殺されたという主張を否定し、イスラエルが米国にTikTokの禁止を提案していると非難している。
約3,800人のフォロワーを持つこのボットは、独自の投稿をするのではなく、主にXユーザーの投稿にコメントしている。
親イスラエル派のユーザーに対するある反応では、ボットはイスラエル兵を 「アパルトヘイト・イスラエルの白人植民地支配者 」と呼んだ。もうひとつは、親パレスチナ派のユーザーに対するもので、アントニー・ブリンケン元米国務長官の 「ガザに甚大な苦しみと荒廃をもたらした(彼の)行動は記憶に残るだろう 」と結んでいる。
このボットはまた、ハマスとの停戦の一環として解放されたイスラエル人の人質がまだハマスによって拘束されているという誤った情報も投稿している。
Haaretzによると、このボットがイスラエル政府から正式に資金提供を受けているのか、それとも分離独立派の活動家によって独自に開発されたのかは不明だという。
イスラエルのディアスポラ省は、ガザでの戦争が始まって以来、AIを使って親イスラエルのプロパガンダを広めるプロジェクトに少なくとも55万ドルを捧げてきた。「そのひとつがHasbara Commandoで、これもAIを使ってコメントを自動生成するプロジェクトだった」とHaaretz紙は述べている。
同紙は、イスラエルのNGO『FakeReporter』の調査結果を引用し、FactFinderAIがイスラエルのガザ戦争についてAIが生成したコンテンツを投稿していることを明らかにした。このボットは、他人の投稿に対してイスラエル寄りの意見を述べるように設計されていたが、結局は親イスラエルのアカウントを親パレスチナ派の意見で荒らしていた。
ある例では、ボットはドイツに対し、アイルランドやスペインにならってパレスチナの国家を公式に承認するよう促した。