ジュネーブ：イスラエルによる拘束や入植者の手による残忍な殴打や性的虐待を受けたというパレスチナ人が今週、国連で自分たちの試練について証言した。

「私は屈辱的な拷問を受けた」と、28歳の看護師サイード・アブデル・ファッタ氏は語った。彼は2023年11月、ガザ市のアル・シファ病院近くで働いていてそこで拘束された。

在ジュネーブ国連大使ダニエル・メロン氏は、公聴会に先立ち、イスラエルは自国軍による不正行為のいかなる疑惑も調査し訴追すると述べ、公聴会は時間の無駄だと一蹴した。

ファッタ氏は、ガザからビデオリンクを通じて公聴会に出席し、通訳を介して証言した。

彼は、寒い中で裸にされ、殴打やレイプの脅しなどの虐待を受け、その後2ヶ月間、過密な収容施設間を移動させられたと述べた。

2024年1月に受けた、特に悲惨な尋問について彼はこう語った。

「尋問官は私の性器を殴り続けた。ペニスからも肛門からも出血した」

「魂が体から離れたような気がした」

ファッタ氏は火曜日、国連の独立調査委員会（COI）が主催するパレスチナ占領地の状況に関する公聴会で語った。

イスラエルが厳しく批判されている今週の公聴会は、特にイスラエルの治安部隊と入植者による「性と生殖に関する暴力」の疑惑に焦点が当てられている。

「これは重要なことです」と、会議を主催したCOIメンバーのクリス・シドティ氏はAFPに語った。「このような虐待の被害者は話を聞かせる権利がある」と彼は言った。

火曜日に証言した専門家や擁護者たちは、ハマスによる2023年10月7日のイスラエル国内での攻撃がガザでの戦争の火種となって以来、拘置所や検問所などでのパレスチナ人に対する性的暴力の「組織的な」傾向について語った。

イスラエル側のメロン氏は、個々のイスラエル人に対する疑惑を、ハマスの「10月7日のイスラエルの人質や犠牲者に対する衝撃的な…性的暴力」と同一視しようとする試みを非難した。

そのような比較は「非難に値する」と彼は月曜日に記者団に語った。

イスラエルは「法と秩序のある国」として、いかなる悪事も調査し訴追するため、公聴会は「時間の無駄」だと彼は主張した。

しかし、パレスチナの弁護士サハール・フランシス氏は、虐待が 「広範な政策 」になっていると主張し、明確な説明責任の欠如を非難した。

ガザから逮捕された者はすべて裸でボディサーチされ、兵士が囚人の肛門に「棒を押し込む」こともあったと彼女は言う。

性的虐待は「非常に大規模に、特に戦争の最初の数ヶ月に起こった」と彼女は言った。

「この数カ月に逮捕された人たちのほとんどが、そのような行為を受けていたと言える」

虐待の疑惑は拘置所に限ったことではない。

ヨルダン川西岸地区に住むモハメド・マタル氏は、イスラエル警察の介入なく、治安捜査官や入植者の手によって何時間も拷問を受けたと語った。

10月7日の攻撃の数日後、彼と他のパレスチナ人活動家は、入植者の攻撃に直面しているベドウィン・コミュニティの保護に向かった。

彼らが屋敷を出ようとしたとき、彼らは入植者のグループに追われ、捕まった。彼らはイスラエルのシャバク治安機関のメンバーも加わっていたと彼は言った。

彼と他の2人は目隠しをされ、下着姿にされ、手を縛られた後、近くの馬小屋に連れて行かれた。リーダーは「私の頭の上に立ち、羊の糞を食べるように命じた」とマタル氏は言った。

周囲に何十人もの入植者がいる中、男は3人に放尿し、約12時間の虐待の間、マタル氏が泣くほどひどく殴ったという。あまりのことに「頭を撃ってくれ」と懇願した、という。

男は背中に飛び乗り、何度も 「肛門に棒を入れようとした 」という。

マタル氏は涙をこらえながら、入植者たちが撮った、目隠しをされた3人が下着姿で土の中に横たわっている写真をシドッティに見せた。

試練の後に撮られた他の写真には、全身に大きなあざがある彼の姿が写っていた。

証言の後、ジャーナリストの取材に応じた彼は、「精神的ショック状態で数カ月を過ごした」と語った。

「これほど醜悪で、サディズムで、残酷な人間がこの世にいるとは思わなかった」

AFP