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チュニジア首相、対外債務を増やさないことを決定、給与凍結も

チュニジアのエリエス・ファクファク首相は、国家財政の危機的な状況を踏まえ公務員の賃金引き上げを凍結することで、抗議運動のリスクを負うことになる。(AFP資料写真)
チュニジアのエリエス・ファクファク首相は、国家財政の危機的な状況を踏まえ公務員の賃金引き上げを凍結することで、抗議運動のリスクを負うことになる。(AFP資料写真)
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15 Jun 2020 08:06:13 GMT9
15 Jun 2020 08:06:13 GMT9
  • チュニジアの経済成長率は今年、最大でマイナス4.3%になるとみられている。これは、1956年の独立以来もっとも大幅な低下だ。

チュニス:チュニジアのエリエス・ファクファク首相は日曜日、対外債務をさらに増やすことはせず、国の今後の支出はすべて内国債で賄うことを決定したと述べた。

首相は、新型コロナウイルスがもたらした危機で悪化した国家財政の危機的な状況を踏まえ、公務員の賃金引き上げは凍結するとした。

この動きは、大きな影響力を持つ労働組合、チュニジア労働総同盟(UGTT)との対立を引き起こすことになるかもしれない。UGTTは今回の決定を拒絶すると予想され、抗議運動やストライキにつながる可能性がある。

首相はさらに、チュニジアは新型コロナウイルスによる危機の影響で45憶ディナール(16億ドル)の追加融資を必要としており、政府はこれを地元市場から求めると述べた。

ファクファク首相はAttessia TVとのインタビューで、「対外債務は危機的な水準に達し、2013年はGDPの30%だったものが、今では60%にまでなった。私はこの流れを打ち切ることに決めた」と述べた。

チュニジアの経済成長率は今年、最大でマイナス4.3%になるとみられている。これは、1956年の独立以来もっとも大幅な低下だ。
西洋諸国からの観光客がチュニジアのホテルやリゾート地から遠ざかり、今年の最初の5か月の観光収入は、2019年の同時期と比較し約50%低下した。

「国家財政は非常に危機的な状況にあり、賃金引き上げには対応できなくなった」とファクファク首相は述べた。

また首相は、この状況が続けば、政府は賃金を引き下げざるを得なくなるかもしれないとつけ加えた。

チュニジアは、財政赤字を減らす手段の1つとして、公共部門の賃金を凍結するよう国際的な金融業者から圧力を受けている。チュニジアの公共部門向け賃金にあてられる額をみると、2010年は76億ディナールだったが、2020年にはその倍の170憶ディナールを超える額に膨れ上がっている。

一方でUGTTは、平均月収の約250ドルは世界でも最低水準であるとし、さらにインフレ率も高く5月には6.3%に達したと主張している。

ロイター通信

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