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国連核監視機関が集結 イラン問題浮上のなか

ウィーンに本拠を置く国際原子力機関(IAEA)は今月初めに公表した報告書で、イランが施設への査察を拒否していることに対し「深刻な懸念」を表明した。(ファイル/ AFP)
ウィーンに本拠を置く国際原子力機関(IAEA)は今月初めに公表した報告書で、イランが施設への査察を拒否していることに対し「深刻な懸念」を表明した。(ファイル/ AFP)
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15 Jun 2020 08:06:03 GMT9
15 Jun 2020 08:06:03 GMT9

ウィーン:イランが過去に重要な核活動が行われていた可能性がある2か所の施設への査察を拒否しているという問題が浮上するなか、国連核監視の統治機関が月曜日に集結する。

ウィーンに本拠地を置く国際原子力機関(IAEA)は今月初めに公表した報告書で、イランが同施設への査察を拒否していることに対し「深刻な懸念」を表明した。

IAEAの政策立案機関の1つである理事会は、今回の理事会期間中に報告書について協議すると予想されている。理事会がイランに批判的な決議案を可決した場合は、同種の決議案としては2012年以来初となる。

2か所の施設はイランの現在の活動にとって重要とはみなされていないが、IAEAでは、過去の活動が約20年前に遡って正しく申告され、核物質のすべてについて説明されているかどうかを知る必要があるとしている。

報告書には、IAEA査察官が施設に立ち入るための苦労が詳しく報告されている。

イランはIAEAに対し、報告書は「深い後悔と失望」の根源であると述べ、さらにIAEAの疑念が「諜報機関」により「でっち上げられた情報」に基づいたものと暗示する発言を行った。

イランにおいて過去に行われていたと考えられる核兵器開発計画情報を自国の諜報機関が発掘した、とイスラエルが以前主張したことがある。

西側諸国はイランの施設査察拒否について懸念を表明しているが、そのなかでも特に懸念を声高にしているのが米国だ。

この施設立ち入り問題は、2015年にイランと世界の大国間で取り決められた歴史的な合意がこのまま白紙に戻る方向へと向かうなかで浮上した。

包括的共同行動計画(JCPOA)と呼ばれるこの合意の下で、イランは制裁措置の緩和といった利益と引き換えに、核関連活動の制限を約束した。

だがイランは、2年前のトランプ米大統領による合意からの離脱および厳しい制裁の再発動決定に対する報復として、約束を次第に放棄し始めた。

今月初めに発表されたIAEAの評価によると、イランの低濃縮ウランの貯蔵量は、合意で定められた上限の約8倍となった。

ただ、濃縮レベルは核兵器開発に必要なレベルをまだはるかに下回っている。

IAEAは、イランの現在の核活動を監視するために必要な施設の査察については、すべての施設において立ち入りを許されているという。

今回の緊張により、合意のEU加盟国 — EU3と呼ばれるフランス、ドイツ、英国 — による合意崩壊食い止めの取り組みをさらに複雑にすると考えられる。

トランプ氏はEU3に対し、米国に随従し合意から離脱するよう求めてきた。

米国は先月、イラン核合意に留まっている国々に対する制裁免除措置を終了すると表明した。この動きで最も影響を受けるのは、イランで核関連事業を行っているロシア企業だと予想される。

アメリカのこの動きに対しEU3は非難を表明、イラン政府は「違法だ」との烙印を押した。

イランはまた、米国がイラン政府に対する国際武器禁輸措置の延長を強く求めていることについても懸念している。

イランのハッサン・ロウハニ大統領は先週、米以外の国連安全保障理事会メンバー国、特に拒否権を持つ中国とロシアに対し、アメリカの「陰謀」に反対するよう要請した。

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