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トルコ、フランス:長期的な対立関係の兆しか?

28 Jun 2020
(左から右)リビアのファイズ・サラージ首相、トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領、フランスのエマニュエル・マクロン大統領。(複数の通信社より)
(左から右)リビアのファイズ・サラージ首相、トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領、フランスのエマニュエル・マクロン大統領。(複数の通信社より)
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Updated 28 Jun 2020
28 Jun 2020
  • リビアにおける停戦の取り組みを阻止し、国連の武器禁輸措置を破ったとしてトルコ政権を非難するフランスは、最近、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国間に対し、リビアにおけるトルコの「攻撃的な」役割について緊急会議で話し合うよう求めた。

Menekse Tokyay

アンカラ:フランス政府とトルコ政府間の現在の緊張、特にリビア、シリア、東地中海をめぐる緊張は、長期的な対立関係へと発展する危険がある、と専門家は言う。

対立は昨年11月、トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領とフランスのエマニュエル・マクロン大統領がシリア北東部におけるトルコの越境攻撃について批判を交わしたあと、エルドアン大統領がマクロン大統領に「自分の脳が死んでいないかどうか調べるといい」と助言したことによりエスカレートし始めた。

トルコ政府は最近、「リビアを混乱に陥らせた」としてフランスを非難した。そのすぐ前日には、マクロン大統領がトルコ政府をリビアで「危険なゲーム」を演じているとして非難し、エルドアン大統領に戦争で荒廃したリビアでの軍事行動を終わらせるよう要請している。

トルコはトリポリの国民統一政府(GNA)を支援しており、東部でGNAと張り合うハリファ・ハフタル司令官の方を支持しているとしてフランスを非難している。フランス側はこれを否定している。

NATO同盟国である両国間の緊張は、6月10日に地中海でトルコの軍艦とフランス海軍艦艇が睨み合いとなった事件以降さらにエスカレートした。フランス政府は、NATOの交戦規定の観点から、トルコのフリゲート艦がフランスの船に迷惑行為を行った疑いがあるとしてトルコ政府を非難した。

トルコ政府はこの非難を否定しているが、NATOは現在事件についての調査を行っている。

6月22日、トルコはフランスのために保守系団体や宗教団体をスパイした容疑で自国民4人を拘束した。

こうして両国の政治的な手の内や軍事的な手の内がさらけ出された現在、非常に重要な問題となるのは、ここまで口論が激しくなると、両国が対立するまでにエスカレートし、すでに脆弱なバランスを変えてしまうのではないか、ということだ。

「リビアや地中海でフランスとトルコが競争関係にあると仮定した場合、それはより広い地政学的趨勢に対する見地の1つに過ぎません。そしてその趨勢には、ロシアとトルコの両国が多かれ少なかれ協調的なやり方で関わっているのです」と、カーネギー・ヨーロッパの客員研究員であるマーク・ピエリニ氏がアラブニュースに語った。

欧州連合(EU)トルコ代表部の元大使でもあるピエリニ氏は、ロシアの西側諸国への挑戦とトルコの最近の動きを比較してみせた。

「ロシアはもうかなり前から、NATOとEUに挑戦を始めています。クリミアを併合した時からです。シリアでは基地を設置したり拡大することにより、軍事的・政治的利害を追求しました。それと一貫するやり方で、ロシア政府は現在リビアでも軍事拠点を拡大しているのです」とピエリニ氏は語った。「トルコも同様のパターンに従っています。 シリア北部での4つの異なる軍事作戦に続き、東地中海の海境を一方的に変更したのです。軍事支援に対してはリビアのGNAの同意を得ています」

トルコ政府はロシアのS-400ミサイル防衛システムを購入して物議を醸したが、これも含め、ロシアとトルコはヨーロッパの南側に新しい地政学的現実を作り出したとピエリニ氏は考えている。

「EUや英国、米国にとって、そしてNATOにとって、これは新たな課題となります」とピエリニ氏は言う。

リビアにおける停戦の取り組みを阻止し、国連の武器禁輸措置を破ったとしてトルコ政権を非難するフランスは、最近、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国間に対し、リビアにおけるトルコの「攻撃的な」役割について緊急会議で話し合うよう求めた。

イスタンブールに拠点を置く経済・外交政策研究センター(EDAM)の安全保障・国防アナリストであるエムレ・クルサット・カヤ氏によると、ドイツやイタリアといった役者がそのギャップを埋めることができなければ、現在の状況が地政学的な対立へと発展する恐れもあるという。

「仲裁人が必要なのは明らかです。単なるイデオロギーの違いというより、状況はもっと複雑です。これは地中海における利害の衝突の問題なのです。サブサハラアフリカですらその対象となっています」とカヤ氏はアラブニュースに語った。

そうした対立関係がNATOに構造的な影響を与えるかもしれない、とカヤ氏は考えている。

「現在のフランス政府には、より強力なヨーロッパの防衛構想を構築したいという意図があります。トルコの軍事行動がこうした代替案が必要な理由の例となり、フランス政府の計画は進むことになります。最近の展開として、フランス政府は、シリアのクルド人民防衛隊(YPG)、エジプト、アラブ首長国連邦といった、この地域におけるトルコ政府の敵対勢力を支持する選択を取りました」とカヤ氏は語った。

カヤ氏はさらに、「トルコ政府は、同盟国の1つによるそうした振る舞いを利用して、非NATO加盟国との同盟を国内外で正当化しようとするかもしれません」と語った。

米ジャーマン・マーシャル基金のアンカラ事務局長であるOzgur Unluhisarcikli氏は、トルコとフランスの利害の衝突により両国間の地政学的競争が激化しており、特にリビアでその傾向が強いと考えている。

「両国とも国益に基づいて行動していると見られています。両国ともそれとは別の理屈を持ち出してはいますが。両国が暫定協定に達しない限り、この競争は必然的にEUとトルコの関係を反映するような対立関係へと発展し、EUトルコ間の業務上の協力さえも大変難しくなる可能性があります」とUnluhisarcikli氏はアラブニュースに語った。

同氏によると、このような状況を回避させるためには、信頼できる第三者が両国間を調整して何らかの措置を提案し、両国がそれを実施する必要があるという。

「信頼構築策の1つとして考えられるのは、トルコがロシアとだけ交渉するのをやめ、フランスを交渉当事者として認めることです。NATOの同盟国であり、現在輪番制のEU議長国も務めるドイツなら、すでにリビアでの停戦も主導していますので、そうしたプロセスを進めるのにふさわしい立場にあると思います」とUnluhisarcikli氏は語った。

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