
ハゼム・バルーシャ
ガザ市:ガザ地区にいるジャーナリスト全員に、アルアラビーヤとアルハダスのニュース・ネットワークへの出演を禁止したハマスの決定は、マスコミ監視組織やジャーナリストらから強く非難されている。
国境なき記者団(RSF)は今週、ハマス当局に対し、ガザ地区にいるジャーナリスト全員に、サウジが所有するネットワークで働くことを禁止した決定の撤回を求めた。メディア多元主義に違反する決定だとRSFは述べた。
「ハマスはこの禁止を解き、アルアラビーヤに協力するジャーナリストが自由に任務を果たせるようにしなければならない」と、国境なき記者団の中東担当者であるSabreen Al-Noui氏は述べた。
同氏は「ハマスとサウジ当局との間の政治的な違いは、放送局や他の報道機関で働くジャーナリストの完全禁止を決して正当化するものではありません。彼らの政治的立場に関係なく」と付け加えた。
ハマスの武装組織であるイズ・アル=ディン・アル=カッサム旅団のメンバー16人が、イスラエルと協力した容疑でガザの内務省に逮捕された、とアルアラビーヤは5日、報じた。
その逮捕のニュースは初め、カイロに本拠地があるAmadのウェブサイトに掲載されたが、その報道機関に対しては何の行動も取られなかった。
ハマスは「スパイセル」の扱いにおいてコントロールできなくなっており、そのことが最近暴露された、とウェブサイトの編集長ハッサン・アスフール氏は述べた。ハマスが探しているのは、本当の敵ではなく「仮想敵」だ、と同氏は述べた。
ハマスが探しているのは、本当の敵ではなく「仮想敵」だ。
ハッサン・アスフール(ジャーナリスト)
パレスチナ・ジャーナリスト連合のTahseen Al-Astal氏は、ガザで放送局の営業を妨害する決定およびジャーナリストを逮捕する組織的活動を「国の道徳と価値に反する」と表現した。
ガザでは報道の自由が脅かされており、全ての当事者はハマスに対し、ジャーナリストや報道機関への嫌がらせをやめるよう圧力を掛けるべきだ、と同氏は述べた。
ハマスは、人権を侵害し、パレスチナ基本法と国際法で規定された言論・表現の自由の原則に違反して、真の自由の「虐殺」をガザで行っている、とAl-Astal氏は述べた。
ハマス内務省は逮捕のニュースを否定し、アルアラビーヤ・テレビの放送は「この放送局が誤解を生ませ、うわさやうそを助長する行為をしていること」をはっきりさせた、と述べた。
ハマスのスポークスマン、Hazem Qassem氏は次のように述べた。UAEから放送しているアルアラビーヤは、「抵抗運動に損害を与える」ことを目的に、イスラエルの保安サービス業界からの「うそと中傷」に基づく「誤報と歪曲」運動を先導している。
2020年の世界報道自由度ランキングで、パレスチナは137位(180カ国中)だ。