
バグダッド:イラクのムスタファ・アル・カディミ首相が来週、首相就任後の初の外国訪問で、地域で対立する2国との外交バランスを慎重にとり、サウジアラビアとイランを相次いで訪れる。土曜日に当局が伝えた。
アル・カディミ首相は日曜日にバグダッドでイランのモハンマド・ジャバド・ザリフ外相を出迎えた後、翌日にはイラクの石油省、電力省、計画省、財務省の大臣たちと共にサウジアラビアを訪れる。イラク当局が発表した。
一行は、サウジアラビア北西部にある現在開発中の地域「NEOM」に滞在することになっており、モハンマド・ビン・サルマン王太子と会う予定だ。王太子とアル・カディミ氏には温かな個人的絆があることで知られている。
イラク政府は今月、サウジアラビアにイラクでのエネルギー関連開発の一括機会を提案しており、会談ではそれらの提案の資金繰り、その他のインフラ計画、両国間のアラル国境検問所再開などに焦点が向けられることになると当局は述べた。
代表団はその後、火曜の夜にテヘランに直行し、そこでアル・カディミ氏がイランの最高指導者アリ・ハメネイ師に会うことになっているという。
アル・カディミ氏は3月に首相に就任したが、その前に4年近く国家情報機関のトップを務めており、それが王太子との親密な関係を構築する助けとなった
また彼はイランの諜報機関や政府筋からも尊敬されていることで知られており、中東地域で対立する2国間の仲介役を果たせるのではと言われている。
また、アル・カディミ氏は米政府からも好感をもって受け入れられており、今月末か8月初旬にはイラク・米国間の戦略的対話を進めることになっている。
イラクの首相がホワイトハウスを訪れるのは3年ぶりとなる。米当局はアデル・アブデル・マハディ前首相を招待することは決してなかった。イランと親密過ぎるとみられていたのだ。
1月に米国の小型無人機がバグダッドを攻撃し、イランのガセム・ソレイマニ将軍とイラクのアブ・マフディ・アル・ムハンディス司令官を殺害したことで、緊張が急激に高まっていた。
今週、イラク、米国、湾岸協力会議の当局者たちがテレビ会議を開き、イラクがクウェートから電気を輸入する準備についての話し合いがもたれた。この件については昨年合意に達したが、まだ実行はされていなかった。
AFP