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エジプトの国会議員たちがリビアへの軍隊展開について投票

カイロでハリファ・ハフタルに忠実な部族長を何十人ももてなすアブドルファッターフ・アッシーシー大統領(上)。写真は大統領広報官が2020年6月16日に公表したもの。(AFP)
カイロでハリファ・ハフタルに忠実な部族長を何十人ももてなすアブドルファッターフ・アッシーシー大統領(上)。写真は大統領広報官が2020年6月16日に公表したもの。(AFP)
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20 Jul 2020 07:07:45 GMT9
20 Jul 2020 07:07:45 GMT9
  • エジプトの介入は豊かな産油量を持つリビアをさらに不安定な状況にするかもしれない。
  • この対立は外国勢力によって煽られた地域的な代理人戦争へと悪化した。

カイロ:エジプトの国会で、隣国のシリアへ軍隊を展開する権限を大統領に与えるための投票が月曜に行われる予定だ。軍隊の展開は、国連が支持するトリポリの政府と同盟関係にあり、トルコの支援を受けている部隊が戦略的な沿岸都市シルテを取り戻す動きを見せた場合に行われる。

エジプトの介入は豊かな産油量を持つリビアをさらに不安定な状態にし、2つの米同盟国(トルコとエジプト)を直接対立させることになるかもしれない。

国会議員のムスタファ・バクリによれば、投票は当初、日曜に予定されていたが、非公開の会議で月曜に延期された。アブドルファッターフ・アッシーシー大統領の支援者が大勢いる下院では、リビアへの軍隊派遣が可決される可能性が非常に高い。

リビアは、NATOの支援を受けた2011年の暴動により、後に殺害されたムアンマル・カダフィの長期にわたる独裁政権が倒され、混乱に陥った。同国は現在、軍司令官ハリファ・ハフタルと同盟を組む東の政府と、国連が支持する西のトリポリの政府に分裂している。

この対立は、同国に武器や傭兵を送り込む外国勢力によって煽られ、地域的な代理人戦争へと悪化した。

米国はリビアにおいて増大しているモスクワの影響力に関し徐々に懸念を募らせてきた。リビアでは何百人ものロシア人傭兵が、ハフタルの軍隊によるトリポリ奪取の試みを支援してきた。エジプトの国営アルアハラム紙は日曜、国会での投票はアッシーシーに対し、「リビアで軍事的な介入を行い、この西の隣国をトルコの武力侵攻から守る手助けをすること」を命じようとしていると伝えた。

アッシーシーは先週カイロで、ハフタルに忠実な部族長たちを何十人ももてなした。その場でアッシーシーは、エジプトが「安全保障に対する直接的な脅威を引き起こす動きを前に、何もせずに突っ立っていることはない」と繰り返した。
リビアの東側を基盤とする国会も、アッシーシーに軍隊の派遣を要請した。

ハフタルの部隊は昨年4月、国連が支持する政府からトリポリを奪うための攻撃を開始したが、彼らの軍事行動はこのリビアの首都郊外まで迫った後に膠着状態となっていた。そして先月、トルコの支援を得たトリポリの同盟軍が彼らを押し返して戦いで優勢に立ったことで、打撃を受けた。

トリポリの部隊は首都の空港、市内への全ての主要な出入り口、および同地域の主要な一連の街を取り返した。彼らは東に向かって部隊を推し進め、ハフタルが今年これまでに奪取したシルテも取り返すことを明言している。

カダフィの生誕地であるこの都市の攻略は、トルコの支援する部隊がさらに東へと前進する道を開くかもしれず、現在はハフタルの支配下にある極めて重要な石油施設やターミナル、油田を奪取する可能性もある。

AP

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