
エルサレム:イスラエル警察はエルサレムの中心地でデモ隊を排除するため、放水砲を使用し少なくとも55人を逮捕した。数千人がベンジャミン・ネタニヤフ首相に対する抗議デモを行ない、夜間に衝突は発生した。
イスラエルではここ数週間、ネタニヤフ首相の汚職容疑に対する裁判と、一貫しない統一政府によるコロナウイルスパンデミック対する不適切な対応を引き合いに、ネタニヤフ首相の辞任を求めるデモが続いている。
首相官邸付近での抗議活動は7月23日の日没に始まり、当初は穏やかなものだった。付近で、ネタニヤフ首相の支援にまわる反対勢力の小規模な動きが見られ、両者は金属製のバリケードと大規模な警官隊により離されていた。
警察によると、デモ隊が市内へのデモ行進に移ろうとした際に、警官隊はデモ隊を鎮圧するよう動いた。警官隊とデモ隊が乱闘状態となったため、大型車両4台が投入され、放水砲による放水でデモ隊を排除した。
その際、大型車両は、その場を穏やかに立ち去ろうとしている抗議者の背後からも放水したように見えた。
イスラエル政府は、3月に初のコロナウイルス感染が発生した際に全土の封鎖を進め、5月までは感染拡大の封じ込めにかなり成功していた。しかし、すべての規制の実質的な解除を急いだため、その後数週間で感染は急増した。
イスラエルでは合計で57,000人以上の感染者と、少なくとも442人の死亡が報告されている。24,000人以上の患者が回復している。
1年経たないうちに3回の選挙を行ったものの決定的とならなかった事を受け5月に発足した統一政府は、パンデミックを優先したものと見られる。にもかかわらず内部抗争に悩まされ、パンデミックと闘うための明確な政策に合意できずにいる。
ネタニヤフ首相は、長期にわたる一連の汚職捜査によって、収賄と詐欺、背任の疑いがかけられている。批判的な人々は、首相はパンデミックの封じ込めよりも、法的責任から逃れる事に重点を置いていると話す。7月23日の記者会見で、首相は「ばかばかしい」と否定したものの、新たなの選挙を仕掛けるつもりではないかとの憶測も飛び交っている。
デモが行われている最中に実施された同記者会見で、「混乱につながる」として、首相はデモ隊に警官隊と衝突しないよう求めた。
AP