
エルサレム: 8月12日の声明によると、イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ地区から発火装置をつるした「焼夷(しょうい)風船」がイスラエルに向けて飛ばされたことを受け、ガザ地区内にあるハマスの拠点を攻撃した。
イスラエル軍の発表によると、今回の攻撃はハマスが実効支配しているガザ地区から最近多数の焼夷風船が飛ばされたことに対する「報復」だという。
声明によると、ジェット戦闘機・攻撃用ヘリ・戦車を使って「地下インフラや監視所」などハマスの拠点多数を攻撃したという。
イスラエル南部地区の各消防署によると、風船により11日だけで60件の火災が発生したが、死傷者が出たとの報告はないという。
風船や凧に爆破物をつるした武器が初めて登場したのは2018年に激しい抗議活動が起きた時のことだ。急ごしらえの爆弾が毎日国境を越え、イスラエル側の農場やコミュニティーで何千件もの火災が発生した。
イスラエルは最近の焼夷風船攻撃を受け、ガザ地区との境界にあるケレム・シャローム越境地点を封鎖している。
ハマスはこの封鎖措置が「好戦的」で、イスラエルがガザを「包囲することに執着」している証拠だと非難した。さらにガザ地区内の人道的状況がさらに悪化の一途をたどる結果を招くと警告していた。
ケレム・シャローム越境地点が閉鎖されたため、ガザ地区とエジプト国境の間にあるラファ越境地点が11日に4月以降初めて開放された。
往来が3日間許可されたので、コロナ危機が始まって以来初めて住民はガザ地区外に出ることができている。
ラファ越境地点はイスラエルの支配下にない外界へ出る唯一の場所だ。
ガザ地区は2007年以降イスラエルにより封鎖された状態が続いている。
2008年以降ハマスとイスラエルの間では本格的な紛争が3回起きている。
国連・エジプト・カタールが仲介し昨年に停戦合意が交わされたのにもかかわらず、ロケット・迫撃砲・焼夷風船を使った散発的な衝突が起きている。
パレスチナのアナリストたちによると、ガザから国境を越えて発火物を飛ばすのはカタールの経済支援要員がガザ地区に入る際イスラエルの了解を得るための取引材料として利用される場合が多いという。
AFP