
アルビル:クルド労働者党(PKK)は17日、クルド自治区内でトルコ軍のヘリを撃墜したと声明を出した。先週同党の司令官の一人が死亡したことへの報復だという。
11日トルコ軍の無人機攻撃により2人のイラク軍幹部が死亡した事件を受け、両国の間に新たな緊張が走った。
PKKは17日の声明で、ザグロスの山岳地帯の部隊が「直撃弾によりトルコ軍のヘリコプターを撃墜した」と発表した。
声明によると「1機目のヘリを撃墜してから10分後に2機目を攻撃し敗走させた」という。
トルコ国境近くのカニマシの市長は、トルコのヘリが付近で墜落したことを認めた。
Servest Aqrawi氏はAFPに対し、戦闘現場へのアクセスが困難なため、2回目の攻撃や被害の程度については確認できていないと語った。
PKKは17日の攻撃を、同党の「殉教者」であるAkid Karzan氏と「トルコ占領軍によって」殺害された2人のイラク軍司令官に捧げるものとした。
トルコは、四半世紀にわたってイラクのクルド自治区に軍を駐留させており、6月中旬以降、山岳地帯のPKKを標的に、国境を越えた陸・空双方からの軍事作戦を展開している。
11日の無人機攻撃の後、イラク政府はバグダッドのトルコ大使を呼び出した。これは最近2か月間で3回目のものだ。
14日にはトルコ軍の爆撃により同自治区で3人のクルド人兵士が死亡している。
トルコ政府は「テロリスト」組織と認定しているPKKに対して爆撃を行う権利を擁護し、イラク政府とクルド自治区がPKKの活動に目を向けようとしないことを非難している。
イラク政府は、自国内でのトルコ軍による攻撃を終結させるために支持を集めようと努めてきた。
米国とEUもPKKをテロ組織と認定している。
AFP