
エルサレム:パレスチナ人がイスラエル南部にロケット弾を発射した後、イスラエルの軍用機が、ハマスの支配下にあるガザ地区を夜通し爆撃した、と軍は発表した。
最近の応酬が起きたのは、イスラエルがハマスに対し、国境を越えて発射された熱気球を止められず、「戦争」になるリスクを冒している、と警告したからだ。
エジプトの治安当局は、1週間以上続く、ガザからのロケット弾や熱気球による攻撃や、イスラエルによる夜間の報復攻撃といった武力紛争の再燃を終わらせるため、両者の間を行き来した。
「今夜、ロケットが発射され、日中、爆発物と、放火用気球がガザ地区からイスラエルの領土に向けて発射された」という声明が、午前0時少し前に軍から出された。
これに対し、「戦闘機と(他の)航空機が、ガザ地区にある、別のハマスの軍事目標を攻撃した」
「この攻撃で、テロ組織ハマスの特殊部隊の一つのものである軍事基地が攻撃された」と、英語で出された声明では補足された。ガザからは死傷者の報告はなかった。
イスラエルのルーベン・リブリン大統領は18日、その日、ガザの気球を使った放火による40件の火災に出動したという、イスラエル南部の消防士らを訪問中、ハマスに対して警告を発した。
大統領府の声明によると、リブリン氏は「放火用たこ・気球を使ったテロは、他のテロと同じようなものだ」と述べた。
「ハマスは、これがゲームではないことを知るべきだ。彼らが決断しなければならない時が来る……彼らが戦争を望むなら、戦争になるだろう」とリブリン氏は述べた。同氏の地位は、大部分は名目上のものだ。
イスラエルとハマスは2008年以来、3つの戦争を戦ってきた。
エジプト、国際連合、カタールからの支援を受け、昨年停戦したにもかかわらず、パレスチナの放火用気球やロケット弾、迫撃砲の発射が、イスラエルによる報復攻撃やガザの民間人に対する制裁を招くなど、ハマスとイスラエルは時折衝突している。
ハマスの消息筋がAFPに語ったところによると、イスラム原理主義者らは17日、ガザでエジプト代表団と会談した。会談は、エジプト代表団が、イスラエル人およびヨルダン川西岸地区に拠点を置くパレスチナ自治政府との会合のためにガザを離れる前に行われた。
エジプト代表団は、それらの協議が終了した後、ガザに戻るとみられる、とその消息筋は付け加えた。
執拗に気球を上げていることに対応し、イスラエルはガザ沖での漁業を禁止し、ケレム・シャロームの物資用検問所を閉鎖し、地区唯一の発電所への燃料供給を停止した。
運転停止前から電力は不足しており、消費者は1日約8時間しか電気を使えなかった。現在は、イスラエルの送電網から供給される電力を使用し、1日4時間だけに短縮される予定だ。
発電所の広報担当者Mohammed Thabet氏は、燃料が底をつき、18日に発電所が「完全に運転停止」したことを発表した。
電気が使えない時間は、経済的に余裕のあるガザ地区の住民は、またしても燃料を必要とするソーラーパネルや発電機に依存している。
ガザの治安当局筋や目撃者によると、18日の攻撃は、ガザ地区南部のラファフと北部のベイト・ラヒアにあるハマスの監視所を直撃した。
イスラエル警察によると、気球は、ガザ地区の境から歩いて行ける距離にあり、頻繁に攻撃の標的になっている、スデロットという町の家の庭に落ちたという。
警察の発表によると、被害はあったが、死傷者はいなかった。
AFP