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ミカティ首相、レバノンでの緊張緩和に向けた「集中的外交交渉」を強調

イスラエルとパレスチナの軍事組織ハマスの戦闘が続くなか、中東を訪れたドイツのアンナレーナ・ベアボック外相(左)はレバノンのナジーブ・ミカティ首相と会談した。2024年1月10日、ベイルート。(AFP)
イスラエルとパレスチナの軍事組織ハマスの戦闘が続くなか、中東を訪れたドイツのアンナレーナ・ベアボック外相(左)はレバノンのナジーブ・ミカティ首相と会談した。2024年1月10日、ベイルート。(AFP)
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13 Jan 2024 03:01:44 GMT9
13 Jan 2024 03:01:44 GMT9
  • 首相はすべての国際決議を尊重すべきだと述べ、イスラエルの合意違反を批判

ナジャ・フーサリ

ベイルート:ナジーブ・ミカティ暫定首相は12日、レバノンは各国代表に対し「レバノンだけで和平について話し合うのは筋が通らない」と伝えたと述べた。

首相は閣議で次のように述べた:「レバノン南部、とりわけ国境地帯における安定を望むのであれば、すべての国際決議が履行されるべきであり、まずは1949年の停戦合意が、すべての付帯条件に一切の変更なく履行されなければならない」

「南部の安定化について協議を始められるのはそのあとだ」

ミカティ首相は現在レバノンでおこなわれる「集中的外交交渉」について、この2日前にドイツのベアボック外相の訪問があったと述べた。

首相はさらに、「レバノンの立場の理解が進んだという意味では、2カ月前と比べて現在の状況は改善している。このことは米国のアモス・ホッホスタイン特使にも、1949年の国際決議から国連安保理決議1701までに触れつつ伝えた」と述べた。

「イスラエルはすべての国際決議を履行しておらず、一方でわれわれの決議の遵守は国際的に認められている。われわれの内閣声明はすべての国際決議の尊重に力点を置くものだ」

ホッホスタイン特使は11日にベイルートを訪れ、「たとえ最終的な解決に至ることは不可能だとしても、これ以上事態が悪化しないよう、レバノン南部の状況の沈静化をはかる」必要性を強調した。

これに対しミカティ首相は「ガザ地区での即時停戦、および並行してのレバノンでの停戦」を求めた。

首相はさらに、「われわれは同胞がジェノサイドと破壊にさらされることをけっして許容しない」と表明した。

ミカティ首相は、南アフリカが国際司法裁判所に「ガザ地区でのジェノサイド実行」に関してイスラエルを提訴したことに歓迎の意を示した。

「普遍的価値と人権、とりわけ国際人道法を尊重した、公平で迅速な判断を期待する」と、首相は述べた。

「国際司法裁判所の判断にかかわらず、国際的正当性の尊重と国際法の遵守を依然として求めている人々が存在するという事実こそが重要だ」

先日のベイルート空港に対するサイバー攻撃について、ミカティ首相は閣僚に「省庁のコンピューターシステムの安全を確保し、防御手段を今一度確認する」よう伝えた。

バサム・マウラヴィ内相は声明を発表し、「攻撃は外国由来である可能性が高い」とした。治安当局はこの件に関する捜査を続けている。

一方、英国の「影の外相」であるデビッド・ラミー議員は複数のレバノン政府関係者と会談し、当該地域における暴力のエスカレートを抑制するための解決策について話し合った。

ラミー氏は声明のなかで、「わたしはシンプルなメッセージを伝えに来た。われわれはガザ地区で激化する暴力の拡大を望まない。われわれが望むのは、危機の外交的解決、国連決議1701の履行、エスカレートではなく沈静化だ」と述べた。

ラミー氏は、自身の訪問がホッホスタイン米特使の訪問の直後であったことに触れ、「危機を解決し、ガザ地区に恒久的停戦をもたらし、惨事を終わらせることに大きな期待を抱いている」と述べた。

「われわれはまた、この重要な地域に安定が回復することを期待する。以上がわたしが携えてきたメッセージだ」

ラミー氏は訪問中、レバノン軍司令官のジョセフ・アウン氏とも会談した。

親イラン派ヒズボラの司法評議会議長を務めるシェイク・モハメド・ヤズベク氏は、ホッホスタイン特使のレバノン訪問は「ガザ地区の戦火が止まないかぎり、実りなき試み」であると批判した。

ヤズベク氏はイスラエルに対し、脅しは「戦場での報復をもたらす」と警告した。

彼はさらに、「(イスラエルによる)11日のレバノンにおける民間人攻撃、および2人の殉教者を出した民間防衛隊を標的とした攻撃は、即座にキリヤット・シュモナなどの場所での報復を招いた」とした。

「こうした反応は、敵側のいかなるエスカレーションに対しても、それを上回る強度の反撃があるという、断固としたメッセージを送るものだ」ヤズベク氏はさらに、米英軍によるイエメン攻撃も非難した。

「米国がいかに(攻撃は)自衛のためのものであると正当化しようとも、残虐な攻撃によってイエメンの国民、軍、指導者の意思がくじかれることはない」と、彼は述べた。

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