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リビアの対立勢力による平和宣言により、平和への希望が募る

「国民合意政府」派の戦闘員たち。(資料写真/AFP)
「国民合意政府」派の戦闘員たち。(資料写真/AFP)
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22 Aug 2020 02:08:28 GMT9
22 Aug 2020 02:08:28 GMT9
  • エジプトのアブデル・ファタハ・エル・シシ大統領は宣言を歓迎した
  • これまでの停戦持続への模索は行き詰りを見せていた。

モハンマド・アブ・ザイド

カイロ:リビアで内戦状態にある対立政権が、金曜日にそれぞれ声明を出し、すべての戦闘行為を停止して全国統一選挙を開催すると発表した。国連やいくつかの国々がこの動きを歓迎している。

この声明は、国連が認める暫定政権で拠点を首都トリポリに置く「国民合意政府(GNA)」のファイエズ・アル・サラジ首相と、軍の有力者であるハリファ・ハフタル氏が支援する東部拠点の代表議会議長アギラ・サレハ氏により調印された。

双方は2015年12月のサラジ政権成立以来、実質的な戦闘状態にあった。

国連のリビア担当代表を務めるステファニー・ウィリアムズ氏は、「すべての党派はこの歴史的機会に立ち上がり、リビア国民を前にして自らの責任を完全に引き受けるように」と呼びかけた。

サラジ首相は、「来年3月の大統領選挙および議会選挙」の開催を呼び掛け、「すべての戦闘行為の停止」を求めた。

アギラ・サレハ議長率いる対立勢力のリビア議会は、すべての党派に対し、国内の現在の経済状況と新型コロナウイルス感染拡大とを鑑みて停戦に従うようにと呼び掛けた。

「この停戦により傭兵たちは排除され、武装組織は解体し、外国の介入は終わることになる」と彼は述べた。

サウジ外務省はこの合意を歓迎し、「リビア国家の利害を最優先に考慮し、リビア国民の安全と安定を保障する恒久的解決を確立し、アラブ地域の安全を脅かす外国勢力の介入を防ぐべく、国内の政治的話し合いを始める必要がある」と強調した。

エジプトのアブデル・ファタハ・エル・シシ大統領は、「この合意は政治的解決を実現し、国内の安定と繁栄を復活させて国民の可能性を守りたいとするリビア国民の願望を実現させるための重要な一歩となる」と述べた。

ジャーナリストのハレド・サラハ氏は、アル・ウェファク政権の変化は「政治と地域の勝利であり、エル・シシ大統領の意志力、決断力、外交力の新たな展望である」とツイートした。

サラハ氏は、GNAの姿勢の変化は「トルコの新たな植民地主義者な立場、リビア国民に対する完全なる偏見、統一リビアのスローガンを掲げながらの自分たちの国益の最優先などを露呈させた」とした。

イタリアは、「リビア危機の政治的解決促進において積極的な役割」を引き続き果たしていくと述べた。

リビアのアメリカ大使館は、この停戦は誰にとっても重要な一歩であるとし、カナダ大使館は、政治活動を再開するようすべてのリビア党派に促した。

多くの観測筋が、トルコがシリア人傭兵をリビアに移動させたことと、リビア内の諸地域でIS勢力が復活したことには繋がりがあるとの可能性を示唆してきた。

シリア人権監視団の統計によれば、トルコは約1万7420名のシリア人民兵をリビアに送っており、その中には18歳未満の子供たち350名が含まれていた。

国連派遣団は、「我々は大統領管轄協議会と代表議会リーダーたちが停戦を目指してリビアの政治を再開させるべく合意を取り交わしたことを非常に歓迎する」と述べた。

エジプトでは多くの人々が、アル・ウェファク氏の今回の決断は、長く続くリビア内戦を平和的な政治解決に向かわせようとするエジプト主導のカイロ宣言と、シーア派および国内部族の国家指令とによってもたらされたものと考えている。アル・ウェファク政権はこれまで、スルト県とジュフラ県の支配権が認められない限り停戦合意はないと拒否していた。

アギラ・サレハ氏のメディア顧問を務めるファティ・アブドゥル・カリム・アル・マリミ氏は、この合意により、トルコ軍や傭兵たちを含むすべての外国軍はリビアから撤退し、テロ武装組織は排除されることになると述べた。

リビア国内の話し合いは、大統領選と議会選の開催、武装組織の解体、テロリズムとの闘い、原油収入の均等配分などが盛り込まれたベルリン国際会議とカイロ宣言に基づき、直ぐに開始されることになるとアル・マリミ・メディア顧問は付け加えた。

ジャーナリストのハレド・サラハ氏は、アル・ウェファク政権の変化は「政治と地域の勝利であり、エル・シシ大統領の意志力、決断力、外交力の新たな展望である」とツイートした。

サラハ氏は、GNAの姿勢の変化は「トルコの新たな植民地主義者な立場、リビア国民に対する完全なる偏見、統一リビアのスローガンを掲げながらの自分たちの国益の最優先などを露呈させた」とした。

エジプト宣言は中東地域からも国際社会からも支持されており、中東におけるトルコの野望を抑え、リビア国内に安全と安定をもたらすものとして賞賛された。

政治研究専門家でありジャーナリストでもあるイハブ・オマル氏は、今回の双方からの声明は、合意に至るまでの外交的働きかけが最近なされていたことを示すものであり、GNAによる一方的な動きではないことを強調した。この合意は中東地域からも国際社会からも支援されており、これが最近頻繁にエジプト・リビア会談がもたれていたことの説明になるだろうとした。

「この停戦合意は、人々の暮らしを破壊から守ることになる非常に人道的な行為です」とリビア下院議員のムハンマド・アル・アバニ氏は述べた。

反テロリズム専門家のムハンマド・アブ・ラス・アブ・シャリフ氏は、停戦は「戦いの双方にとって好ましい一歩」であるとしながらも、支配権を共有したり持ち回しにしたりするやり方では、市民を抑圧して暗闇の生活を強いてきた危機を解決するための恒久的和解とはならない」と警告した。

危機の緩和には和解へのさらなる取り組みが必要であると彼は考えている。「安定化を実現し、地域の奪い合いから離れ、武器マフィアを根絶させるには、リビアの政治家たちは、双方とも勝者でも敗者でもないという原則からスタートする必要がある」と彼は述べた。

イタリアは、ベルリン会議の枠組内で他のEU主要諸国と連携して国連の取り組みを支援すると再確認し、「リビア危機の政治的解決促進において積極的な役割」を引き続き果たしていくと述べた。

リビアのアメリカ大使館は、この停戦は誰にとっても重要な一歩であるとし、カナダ大使館は、政治活動を再開するようすべてのリビア党派に促した。

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