
サイード・アル=バターティー
【ムカッラー】サウジアラビアが主導するアラブ有志連合軍はイエメン北部に展開するフーシ派部隊を爆撃、これを受け幹部クラスのフーシ派司令官数人が死亡、負傷者も多数出た。軍当局が24日明かした。
イエメン軍のラビーア・アル=クラシー報道官はジャウフ県でアラブニュースの取材に対し次のように語った。フーシ派政権の防衛相ムハンマド・アル=アーティフィー氏らフーシ派軍幹部が22日ジャウフ県ハッブ・アッ=シャーフ郡にあるアル=ハンジャル野営地を訪問したときを狙い、連合軍の複数の戦闘機がこれを攻撃、司令官複数を殺害するとともに、数十人を負傷させ、6台の車両を破壊した。
「フーシ派防衛相の安否は不明だ。が、連合軍の空爆によりフーシ派の戦闘員らは壊滅状況だ」とクラシー報道官は語っている。
24日、フーシ派公式メディアは、第6軍管区の上級将官アーズィー・サラーフ・ムトラク・ダーワ将軍および、フーシ派軍隊のイデオローグであるとともにフーシ派草創期のメンバーの子息でもあるルーフッラー・ザイド・アリー・ムスリフ将軍の死を悼んでいる。
クラシー報道官は、22日にはジャウフ県で2人の司令官が殺害されているが、フーシ派は戦闘員の士気低下を恐れ弔意の表明を遅らせている、とする。数日中にほかの司令官の死亡も追って発表されるものと同報道官はしている。
先週初めから政府軍との激しい戦闘の結果フーシ派からは数百人の死者が出ている。またこれは、サウジ主導の空爆がジャウフ県、マリブ県、バイダー県におこなわれたことも加味する。
フーシ派は甚大な被害を受けたことは否定しているが、イエメン北部の同派支配地域の複数地域で戦闘員数十名の埋葬をこのほどおこなっている。
またジャウフ県では、陸軍部隊と連合軍兵士らが連合軍の空軍力を背景に、ジャウフ県県都ハズム市東部の各地でフーシ派と戦闘している。
クラシー報道官はまた、バイダー県サバーフ郡の複数地域でもフーシ派多数を殺傷のうえ政府軍が同地を解放したとしている。ハズム市周辺で地上攻撃が目下続けられている目的は、戦略上重要なハズムを配下に収めているフーシ派へ軍事的圧力をかけるためだ、と当地の政府軍指揮官らは語っている。
イエメンのマイーン・アブドゥルマリク・サイード首相は一方で、「リヤド合意」にもとづき、新政権樹立に向けイエメンの全政党がひきつづき建設的に協議を進めているところだ、としている。
イエメン国営通信によると、サイード首相はサウジの議員らに対し新政権布告の進展状況について説明した。また、リヤド合意の迅速な実施やアデン県ほかのイエメン各県の平和と安定の回復を支援する目的から、イエメンの全政党への働きかけをおこなうべく会談を重ねている、ともしたとする。
また23日には、アデン県の新知事アフマド・ハーミド・ラムリス氏とアデン市の治安トップ、アフマド・ムハンマド・アル=ハーミディー氏に首相が国体の再興と平和の回復を最優先にすることを指示した。また政府による全面的な支援も約束した。
リヤド合意のもとで、軍事委員会がアデンから部隊および重火器の移転を始めた段階で、アデン州知事および治安トップもアデン帰還を果たすもようだ。1か月中には、新政権で首班指名を受ける予定のサイード氏も閣僚を指名しアデンへ戻る運びとなる。
リヤド合意により、国際社会が承認するイエメン政権と、分離独立を掲げる南部暫定評議会との間の緊張が緩和されることとなった。