
エルサレム:イスラエル軍は、ハマスが支配する地域から爆発物を積んだ風船が飛来し続けていることに対する報復として、日曜日の朝、ガザにある過激派の標的を攻撃したと発表した。
イスラエル軍、ハマス双方から現時点で死傷者の報告はない。しかし、武力衝突はガザが悪化した経済危機と新たなコロナウイルスの発生に苦しんでいる時に起きた。
ハマスとつながりのあるグループはここ数週間、発火物を積んだ風船をイスラエルに向けて繰り返し飛ばし、広範囲の農地を燃やした。イスラエルは空爆などで報復している。イスラエル軍は、日曜日の戦車砲火でガザの南部にあるハマスの拠点を攻撃したと述べたが、詳しい説明はなかった。
ハマスはイスラエルに、ガザの封鎖を緩和し大規模な開発プロジェクトを認めるよう迫っている。エジプトとカタールは非公式の停戦を後押ししようとしている。
ガザの当局が、コロナウイルスの域内での最初の感染例を発見したため、停戦の努力はここ数日でより緊急性を増している。ハマスは、イスラエル・エジプトと国境を接する沿岸地域でロックダウンを実施した。同地域には200万人のパレスチナ人が住んでいる。
イスラエルとエジプトは、ハマスが2007年にライバルのパレスチナ勢力から権力を奪取した後、ガザを封鎖した。イスラエルは、封鎖はハマスが兵器を増強しないようにするために必要だとしているが、封鎖を批判する人はそれを集団的懲罰の一種として見ている。イスラエルとハマスの間には、ガザの封鎖以来、3回の紛争と何度かの小さな戦闘が起きている。
両国による規制はガザ地区の経済を崩壊寸前まで追い込み、長年の紛争と孤立により、ガザの医療システムは大規模な感染症に対処するための設備が整っていないままになっている。
最近の攻撃に対する報復として、イスラエルがガザで唯一の物資検問所を閉鎖したため、唯一の発電所を燃料不足のために閉鎖せざるを得なくなり、ガザの人々は一日に数時間しか電気が使えない状態になっている。イスラエルはまた、沿岸地域の漁業水域を閉鎖した。
国連の中東特使ニコライ・ムラデノフ氏は先週、状況は「急速に悪化している」と警告した。