

スイス、ベリンツォーナ:14日、ワールドカップおよびコンフェデレーションズカップのテレビ放映権に関する汚職を巡って、FIFAのジェローム・ヴァルケ元事務局長とBeINスポーツのナセル・アル・ヘライフィー会長の裁判がスイスで始まった。
59歳のヴァルケ氏は、既にFIFAの倫理委員会から倫理規定違反により10年間の活動禁止処分を受けており、収賄、悪質な犯罪的不正、文書改ざんの罪で起訴されている。
フランスのリーグ覇者パリ・サンジェルマン(PSG)の会長も務め、UEFA(欧州サッカー連盟)の実行委員でもあるアル・ヘライフィー氏は、ヴァルケ氏の悪質な犯罪的不正行為を教唆したとして起訴されている。
カタール代表としてデビスカップに出場した経験を持つ元テニスプレーヤーで、現在46歳のアル・ヘライフィー氏は、欧州サッカー界で最も力のある人物の1人とされている。
裁判に出席した両氏は不正行為への関与を否定し、アル・ヘライフィー氏の弁護団は起訴内容の大半は同氏には当てはまらないと述べた。
FIFAの本部があるスイスで行われているこの裁判は9月25日まで行われる見込みで、10月末までに3人の連邦裁判官が判決を下す予定となっている。
スイス検察庁は、2013年から2015年にかけてヴァルケ氏がFIFAでの役職を利用し、複数のワールドカップおよびコンフェデレーションズカップの放映権が「自身が贔屓にしているメディアパートナーに有利な形で」分配されるよう働きかけたと主張している。
さらにヴァルケ氏は、アル・ヘライフィー氏から同氏がサルディーニャ島に所有する別荘の独占利用権を18カ月間に渡って譲渡され、その間推定90万ユーロ(107万ドル)から180万ユーロ(213万ドル)の貸借料も支払っていなかったという。
2015年まで8年間に渡って世界のサッカーの運営機関であるFIFAの事務局長を務めた現在59歳のヴァルケ氏は、2010年のワールドカップ南アフリカ大会、2014年の同ブラジル大会で同組織の監督的立場を担った。
FIFAが史上最悪の汚職スキャンダルに揺れる中、スイス検察庁は2015年から同組織を取り巻く汚職の捜査を行ってきた。
同スキャンダルではFIFAのゼップ・ブラッター元会長とUEFAのミシェル・プラティニ元会長がサッカー界での活動を禁止されており、数十名の関係者らが汚職に関連して米国で起訴されている。
ロイター通信