
【ジュネーブ】イエメン紛争の当事者同士が国連の調整による協議を18日開いた。1,400人以上の捕虜解放を見据えた人質の交換について合意を目指す。国連が明らかにした。
2018年に国連が仲介しスウェーデンでおこなわれた和平協定では、国際社会が承認するハーディー政権とイランが後見する叛乱組織フーシ派との間で、双方が拘束する約1万5,000人の捕虜交換が協定の一環として合意されたいきさつがある。
その後双方は間を置いて捕虜交換をおこなってきている。が、フーシ派の捕虜520人と引き換えに政権派の900人の捕虜が解放されるという事態がもし実行に移されれば、2014年のイエメン紛争勃発以降初めて大規模な捕虜交換がおこなわれることになる。
国連イエメン担当特使のマーティン・グリフィス氏は次のようにツイートしている。「イエメン捕虜拘束者委員会の会合がきょう始まった。会合のホスト役を務めてくれたスイスおよび共同ホスト役に任じてくれた赤十字国際委員会には御礼申し上げる」。ただし、詳しい会合場所については明らかにしていない。
同氏はさらに綴っている。「政権とフーシ派双方には以下申し述べたい。協議をまとめたうえですみやかに拘束している人たちを解放し、何万という家族の方々を安心させてほしい」
赤十字国際委員会(ICRC)側は、捕虜が家族のもとへ帰される手助けをする用意はある、としている。
16日にはイエメン大統領府に近い筋が、スイスでの協議は、ICRCとの間で「捕虜返還にともなう移送にかかわる調整全般」で合意が見られ次第「仕上げの段階に入る」としている。
同筋はまた、解放される者の中には、アブドラッボ・マンスール・ハーディー大統領の兄弟であるナースィル・アブドラッボ・マンスール・ハーディー将軍ほか、政治家や記者も複数名含まれるもようだとしている。
高級情報将校も務めていたナースィル将軍は、2014年後半のフーシ派による首都サヌア制圧以来囚われの身となっている。
イエメン紛争では民間人が大半を占める何万という人々が犠牲になっている。その結果、世界最悪の人道危機と国連が称する事態におよんでいる。
AFP