
Arab News
アンカラ:9月25日金曜日、トルコ当局は反体制派政治家、女性権利擁護者、市民活動家ら82名を6年前の暴力的抗議活動の関連で逮捕を命じた。
2014年のシリアのクルド人都市、コバニ(Kobani)のダーイシュ占領のデモについての一斉検挙に、親クルドの国民民主主義党(HDP)の現および元メンバーは含まれている。
逮捕された個人には、カルス(Kars)県東部の市長のアイハン・ビルゲン(Ayhan Bilgen)氏、前副党首のスッル・スュレイヤ・オンデル(Sirri Sureyya Onder)氏、アイラ・アカット・アタ(Ayla Akat Ata)氏、 アルタン・タン(Altan Tan)、元党広報官のギュナイ・クビライ(Gunay Kubilay)氏、HDP中央理事会メンバーのアルプ・アルティノス(Alp Altinors)氏が含まれている。
抗議活動では、37名が死亡したが、トルコ政府は街頭を占拠したデモ隊を扇動したとしてHDPを非難した。
この動きは、トルコ政府反対派の地域及び国際的非難を浴び、逮捕は政治的動機があり、前共同党首であったセラハッティン・デミルタシュ(Selahattin Demirtas)氏 と フィゲン・ユクセクダー(Figen Yuksekdag)氏の4年前の投獄のフォローアップであると主張した。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)のトルコ代表、エマ・シンクレアウェブ(Emma Sinclair-Webb)氏は、デミルタシュ氏を監禁し続けているトルコ政府の唯一の名目は古い捜査資料であると、Arab Newsに語った。「党が結果として起きた暴動を予見できたかのように、2014年10月6日から8日の南東地方の激しい抗議活動と、デミルタシュ氏とHDPに責任をなすりつけようと集中した」と同氏は語った。
ユクセル・ココマン(Yuksel Kocaman)検事正は、デミルタシュ氏の裁判の起訴を故意に遅らせていると非難されているが、最近、結婚式から間もなく新婦とともに大統領宮殿にレジェップ・タイイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)トルコ大統領を訪れたと論争を引き起こした。
同検事が同大統領と会ったことは、トルコ司法制度の独立に関する論争を呼んだ。
金曜日の捜査の狙いの一つは、釈放を要求すると期待される、欧州人権裁判所の予想される判決前にデミルタシュ氏に反対する裁判を支援することだったろうと、 シンクレアウェブ氏は語った。
「この捜査の第2の動機は、もちろん、HDPを脅し妨害することだ」と、同氏は付け加えた。
政府の最近の行動は、解散総選挙の前にHDPをさらに弱体化し、逮捕に対して反対派の分裂を誘発するために企てられていると、専門家は指摘した。
昨年の地方選挙で当選したHDPの市長の総数65名のうち、47名がテロ関連の罪で拘留され、政府任命に置き換えられた。
逮捕は、HDPを同党が占める民主的政治空間とともに違法とすることを狙ったと、主要野党CHPの著名議員であるギュルセル・テキン(Gursel Tekin)氏は、語った。
「トルコ大統領は社会をさらに分極化し、そこからの見返りを期待している。そのようなことは、この国の8300万人の国民の平和と福祉を破壊する」と、同氏は付け加えた。
アムネスティ・インターナショナル・トルコ支部の運動家ミレナ・ブユム(Milena Buyum)氏は、Arab Newsに「大きくメディアに取り上げられた暁の急襲で発表するために、簡単に呼び出せた個人を拘束することは、公正な裁判と無実推定の権利を弱体化させる」と語った。
最近の相次ぐ逮捕により、トルコ当局はデミルタシュ氏を監禁し続ける新たな理由を作ろうと探しているかもしれないという懸念を生じている、と同氏は語った。
「進行しているHDPメンバーと市民社会の活動家の拘留は、政治の反対と批判的発言に対して政府圧力が強まることをさらに示唆している」。
「政治家、ジャーナリスト、人権保護者、弁護士、批判の声、特にテロ関係の犯罪の起訴と拘留は、抑圧のパターンとなり、トルコでの人権の原理の中核を脅かす」と、同氏は付け加えた。
これとは別に、クルド語でイスラム教の追悼会を開催したことで投獄された80歳の囚人が、病気のため有罪判決を遅延する求めにも関わらず、水曜日に死亡した。