ダイアナ・ファラー(ドバイ)
日本の種子島宇宙センターはこれまでいくつかロケットを打ち上げてきた。最も新しいのは、アラブ首長国連邦(UAE)と共同で打ち上げたアラブ初の火星探査機だ。
歴史に残る打ち上げが行われたのは7月20日、UAEの探査機「Hope(ホープ)」を搭載した三菱重工のH-IIAロケット42号機が発射された。
エミレーツ・マーズ・ミッションの準備は6年前に始まった。探査機はエミレーツのエンジニアチーム第一群とともに今年の4月6日に日本に到着した。
日本との共同打ち上げは「典型的な戦略的パートナーシップの良い例だ」と、UAEのアブダッラー・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン外務・国際協力大臣は語る。
WAMによれば、日本の茂木敏充外務大臣とアブダッラー外務大臣は7月に電話で「両国ともに満足している素晴らしい関係性と、今後も様々な形で協力し合っていくことへの強い意欲」を確かめ合ったという。
7月17日の記者会見で、茂木外務大臣はUAEの火星探知機「Hope」の打ち上げを「非常に有意義なプロジェクト」として称賛し、両国の「関係性の強さ」を象徴していると述べた。
現在は宇宙を移動している「Hope」は2021年2月に火星に到着する予定だ。現在、行程の半分ほどを過ぎたところで、ムハンマド・ビン・ラシード宇宙センターのエンジニア陣は次のステップ、軌道投入のタイミングを注意深くはかっている。
WAMによると、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の理事、石井康夫は「Hope火星探査機の打ち上げという歴史的出来事に種子島宇宙センターからH-IIAロケットによる発射という形で関わらせていただけたことは、宇宙航空研究開発機構にとって名誉なことだ」と語った。
石井はアラブ初の火星探査計画を実現させたUAEの努力を称え、「今後の宇宙活動においてUAEとより協力し合っていくこと」を楽しみにしていると話した。
中島明彦駐UAE日本国大使は、また、UAEは「気の遠くなるような仕事」に手をつけ、見事に成功させてみせたと指摘する。
「十分に発達しているもの、新たに開発されているものも含め、関連するすべての技術をまとめ上げ、一つの宇宙飛行計画を設計するためには、卓越した才能と勇気、スキルを必要とする」と、中島大使は話した。
中島大使は、この宇宙飛行計画により、UAEと日本両国はさらに相互協力関係を深める機会が増えるだろうと語る。
4月、UAEはCOVID-19による旅行規制にもかかわらず、「Hope」を83時間かけて日本に移動させた。
UAE副大統領、首相及びドバイ首長国の主張であるシーク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥームは、「喜ばしいことに、アラブ初の火星探査機をドバイのムハンマド・ビン・ラシード宇宙センターからエミレーツのエンジニアチームの監督の下、83時間かけて発射場である日本の種子島に無事に移送することに成功した」と発表した。