
トリポリ:リビア海岸沖で起こった難破で20人の移住者が死んだ、と国境なき医師団(MSF)は語り、同日に地中海で起きたこれら二つの悲劇でおよそ100人の死亡者数が出るという。
北西の都市ソルマンでMSFチームは、もう一つの難破船(木曜日)の生存者である3人の女性の手助けをした、とツイッター上で同団体は述べた。この難破では20人の人々が溺れ死んだという。
「地元の漁師に救助された彼女たちはショックを受けており、恐慌状態だった。彼女らは愛する人たちが波の下に沈んでいき、死んでいくのを目の前で見た」とMSFは語った。
それより早く、国連の国際移住機関(IOM)が「フムスの海岸沖で今日起こった壊滅的な難破によって、少なくとも74人の移住者の命が失われた」と発表した。フムスはリビアの首都トリポリから120キロメートル離れた港市である。
この発表によると、47名の生存者が浜に連れ戻され、31人の遺体が回収された。加えて、ボートで120人以上が浜に現在運ばれていると報告されている。
木曜、この難破による遺体は浜辺に残忍にも一列に並べられ、中には救命胴衣を着た者さえあった。
心に痛手を負った生存者たちはショックで浜辺に座り込み、他の者たちは救助隊員が食料の包みを配布する中、毛布の下で身を縮こませた。
トリポリにあるアメリカ大使館は「二隻の難破はもう一つの恐ろしい移住の悲劇と言うに等しい」と声明を出した。「#今のリビア紛争(#Libya conflict now )に対して解決が必要だということを想起させるもう一つの悲劇だ。このような悲劇を防止することに焦点を当てるためにこそ。」
EU大使のホセ・サバデルは「我々はこれらの恐ろしい出来事が二度と繰り返されないように、一致団結して働く必要がある」と語った。
IOMが金曜に語ったところでは、「多くの女性と子供たちが2つのボートに乗船していて、幼児の遺体も回収されたものの中にあった。」
「この地域のスタッフが報告してきたところでは、一夜が明けてもっと多くの遺体が続けざまに浜に打ち上げられた」とIOMは付け加えた。
今年は現在までで900人以上の人々がヨーロッパの岸辺に辿り着こうとして地中海に沈んだ、と彼らは語る。
その他の11,000人以上の移住者がリビアに戻らされて「人権侵害の危険に身を晒している」と彼らは付け加える。
2011年にムアンマル・カッザーフィーが打倒され、それからリビアにずっと続く暴力を人身売買業者は巧みに利用してきた。リビアの暴力は国を、戦争と貧困から逃れて、ヨーロッパを目指す絶望的な努力をする移民者たちの有力な回廊地帯にしたのである。
多くの者が海で溺死した一方で、数千人がイタリアとEUによって支援を受けてきたリビア沿岸警備隊によって捕らえられ、リビアに送り返された。
彼らのほとんどが拘留されて終わるか、しばしば恐ろしい状況に置かれる。
IOMは「リビアへのアプローチの変革と、地球上のもっとも危険な海上ルートに対するアプローチの変革を求め、移住者を国に送り返すことを終わらせる」ことを主張し、「予想可能で、安全な上陸の仕組み」の必要性を述べた。
AFP