
バグダッド:ロケット弾が17日、イラクの首都バグダッドを襲い、4発が、強固に防備されたグリーンゾーン内に着弾した、とイラク軍が発表した。子供1人が死亡し、少なくとも5人が負傷し、10月にイランが支援する民兵によって発表された非公式停戦の終了を知らせた。
グリーンゾーンを襲ったロケット弾のうち1発が、米国大使館からわずか600メートルの所にあるイラク国家安全保障局の近くに着弾した、2人のイラク治安当局者は述べた。ロケット弾のうち数発は、米国が今年導入したC−RAM防空システムによって迎撃された、と彼らは述べた。
イラク軍の発表によると、ロケット弾3発がグリーンゾーンの外に着弾した。1発はバグダッド・メディカルシティ病院の近くに着弾し、1発は公共公園の入り口に着弾し、1発は空中で爆発した。声明によると、子供1人が死亡し、民間人5人が負傷した。
当局者らは、イラク治安部隊の隊員2人もグリーンゾーン内で負傷したと述べた。彼らは規則に従い、匿名を条件に話した。犯行声明はまだ出されていない。
軍は、この事件では、「起訴」し「責任」を取らせなければならないないと述べた。
米軍は2003年にイラクに侵攻し、2011年に撤退したが、イスラム国がイラクの大部分を制圧した後、2014年に戻ってきた。
米大使館や米軍の装備品を運ぶ車両が頻繁に攻撃されたことを受け、米国政府はバグダッドの在外公館を閉鎖すると脅し、米大統領選挙の前に外交的危機を引き起こした。
今回の攻撃は、米国防総省が最近、イラクにいる部隊の人数を3000人から2500人に削減すると発表したことを受けたものだ。
10月中旬、イランが支援する、主にシーア派の武装集団は、大使館を含む、イラク国内の米国人がいる所を標的とした攻撃を一時的に停止すると表明した。それは、1月にイラク議会で可決された、拘束力のない決議に従い、米国主導の連合軍がイラクから撤退するという条件付きだった。
その決議はシーア派の議員を中心に可決され、政府は行動を起こし、米国主導の連合軍を国外に追放するよう要求された。
その決議が可決されたのは、米国政府が主導した空爆で、イランの精鋭部隊「コッズ部隊」のトップだったガセム・ソレイマニ司令官とイラクの有力な武将集団の指導者アブ・マフディ・ムハンディス氏がバグダッド空港の外で死亡した後だった。
原則的に撤退を支持する米当局者らは、撤退は決められたスケジュールに基づいて行われると主張している。イラク政府関係者のほとんどは段階的な撤退に同意しており、即時撤退を望む、イラン寄りのグループからの圧力に直面している。
イラクでは、連合軍がイラクの複数の基地から撤退するなど、数カ月前から撤退計画が進められている。
イラク軍は、米国の支援を受けずにますます反ダーイシュ作戦を行っており、連合軍は昨年末に行うと考えていた、予定していた撤退を3月に開始することになった。支援は、監視や上空援護など、イラク治安部隊にはない高度な能力にますます限定されている。
AP