
アラブニュース
ジェッダ:イランが投獄した反体制派を大虐殺したことで、国連の調査に直面しており、イラン政権はこれを30年以上隠蔽しようとしてきた。
イラクとの戦争が終わろうとしている1988年、主に若者たち数千人が裁判を受けずに処刑された。殺害された人々は主に、この戦争でイラク政府を支持したモジャーヘディーネ・ハルグ(MEK)の支持者たちだった。
7人の国連特別報告者のグループは、当時殺害された人々の「運命と行方の開示を拒否し続けていることを、深刻に懸念しているという旨の書簡を、イラン政府に送った。
同グループは遺族に伝えるために、「徹底的な独自調査」と「正確な死亡証明書」を要求した。
「私たちはこの状況を、非人道的犯罪に相当する可能性があると懸念しています」と、この国連の専門家グループは語った。
イランが「自らの義務を果たすことを拒絶し」続けるならば、イランは国際的な調査に直面することになる、と同グループは警告した。
国連の特別報告者チームは、9月に書簡を送っていたが、その書簡は今になってやっと公表された。
アムネスティ・インターナショナルの中東・北アフリカ部担当のダイアナ・エルタホーイ副部長は、「もはや対処されず、処罰を受ける可能性のない」この虐殺に、メッセージを送ったのだから、この書簡は「極めて重要な突破口」だと語った。
2018年の報告書で、大虐殺を非人道的犯罪と記述したアムネスティは、国連人権理事会に国際的な調査機構の立ち上げを求めた。
1988年7月後半から、アーヤトッラー・ルーホッラー・ホメイニー元最高指導者の個人的な命令により、イラン国内の至るところの収容所内で、適切な裁判も受けずに、数千人が処刑により殺害された、と人権活動家たちは語っている。同国の反体制派「亡命政権」、イラン国民抵抗評議会(モジャーヘディーネ・ハルグの政治部門)は、虐殺された人数は最高で30,000人と述べている。
人権活動家たちは、この大虐殺に関与していた政府関係者が、イラン政府で今でも最高の地位についていることを非難している。2018年の報告書で、アムネスティはイランのエブラヒーム・ライシ司法長官と、モスタファ・プルモハン・モハマディ元内務・法務大臣政府高官が、処刑を決定した所謂「死の委員会」に参加していたと述べていた。
この問題はイラン国内でタブーのままだったが、その当時ホメイニー元最高指導者が指名した後継者、アヤトラハセイン・アリ・モンタゼリ元副最高指導者と政府高官が出席した「死の委員会」の会議内容が録音された音声の一部が、2016年に公表された。
イラン系アメリカ人の政治学者、マジッド・ラフィザデ博士は、国連の介入は正義に向かう第一歩となる、とアラブニュースに語った。
同氏は次のように語った。「何十年間も、イラン政府はその最大の犯罪を組織的に隠蔽してきました。経済崩壊につながるために、同政府が抗議の声と不安の高まりを必死で抑えようとしているので、世界は今後の大虐殺を阻止するために、今こそ行動を起こさなければならないのです」
アリー・ハーメネイー師を最高指導者とする現在の権力構造の土台は、1988年の大虐殺の上に構築された。現在イランを預かっている権力は、20世紀最大の政治的犯罪を平気で命令するこの原理主義政権に、真の忠義と、断固とした忠誠を示したことを、世界は知らなければならない。
「これは、世界がイラン国民と、非人道的犯罪の加害者である政権の転覆を図ろうとしている組織的な反体制派の味方をしなければならない、ということの指標となるべきです」