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イエメン市民、フーシ派の攻撃からの保護を要求

悪化する一方のタイズの経済状況に抗議するため、横断幕を掲げてデモ行進するイエメン市民。(File/AFP)
悪化する一方のタイズの経済状況に抗議するため、横断幕を掲げてデモ行進するイエメン市民。(File/AFP)
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15 Dec 2020 05:12:33 GMT9
15 Dec 2020 05:12:33 GMT9
  • タイズの医療従事者たちは、武装組織の攻撃が増加し、医療施設への重圧が高まっていると話している。

サイード・アルバタティ

ムカッラー―イエメン南部の都市タイズの12の人権団体、医療従事者、当局者は、イランの支援を受けたフーシ派による恣意的な迫撃砲攻撃からの市民の保護を要請した。

こうした団体などは共同請願書を作成し、国際社会に対して、フーシ派による攻撃を終らせるよう促した。この攻撃は、先月初め以降、人口密集地帯に住む数十人の市民の命を奪っている。

「こうした行為は人道に反する犯罪とみなされ、国際社会による緊急行動を必要とする」。請願書ではこのように述べられている。「我々は、これらの暴力に関与するフーシ派およびすべての当事者に対し、完全な責任を負うよう求める。彼らに対し、国際人道法および人権法の原則を順守するよう要求する」

12日、迫撃砲弾がタイズのスタジアム内に着弾し、サッカーのコーチ1人とその10歳の息子が死亡し、子供2人が負傷した。

この攻撃が激しい暴動を引き起こし、イエメン市民は攻撃の停止を要求するとともに、フーシ派のテロリストに対し、市民への罪を犯したとして糾弾した。

翌13日には、多数の抗議者がスタジアム内に集まり、ここ数ヵ月間でエスカレートしているフーシ派の攻撃を非難した。

地元当局者と、抗議集会で演説する活動家は、市民への攻撃を強く非難し、フーシ派をテロ組織として指定するよう求めた。

タイズの医療従事者は14日、アラブニュースの取材に対し、フーシ派による迫撃砲攻撃が増加していることで、市内の医療施設への重圧が高まっていると述べた。これらの施設は、この武力闘争と新型コロナウイルスへの対応によりフル稼働を続けている。

「既に状況が逼迫していた病院と遺体安置所が、フーシ派の攻撃による死傷者であふれかえっている。我々は国際社会に対し、緊急介入してこうした攻撃を終らせるよう求める」。タイズ市の防疫担当官であるアフメド・マンスール博士は電話取材にこう述べ、恣意的な砲撃は、政府の管理下にあるタイズのほぼ全域を標的にしていると付言した。

イエメンの活動家がオランダに創設した独立系人権団体「レーダー・ウォッチ」は13日、フーシ派による恣意的な砲撃により、2015年初頭から20年半ばまでの間に、252人の子供と101人の女性を含む691人の市民が死亡したほか、1013人の子供と279人の女性を含む2898人の市民が負傷したと述べた。

タイズ市の端の地区に2015年から陣取るフーシ派は、政府軍の弱体化を狙い、人口が密集する中心市街地に対し、迫撃砲とマシンガンによる攻撃を散発的に行ってきた。政府軍は、こうした攻撃を苦心しながら押し戻している状況だ。

タイズに近接するフダイダ地区では、国境なき医師団(MSF)が14日、紅海沿岸のモカ港にあるMSFの小規模病院に運び込まれる市民の死傷者が、現地での最近の武力行使の激化により急増したと述べた。

「我々はこの小さな病院で、憂慮すべき過酷な状況を目の当たりにしている。紛争で市民を殺し、けがを負わせることは、国際人道法に対する重大な違反を犯しているというだけではない、あまりにも惨たらしい行為だ」。MSFのイエメン派遣団長のラファエル・ベイヒト氏は、アラブニュースが確認した声明文でこのように述べた。

「武力行使は一線を越えている。我々の患者には子供、妊婦、乳飲み子を抱える母親、そして爆撃された牛乳の瓶詰め工場に勤める男性が含まれている。この攻撃は決して正当化できない」

ストックホルム合意から2周年を迎えた際、フダイダ合意をサポートする国連使節団の団長であり、再配置調整委員会の委員長でもあるアブヒジット・グハ中将は、国際的に認知されたイエメン政府とフーシ派の双方に対し、約束を果たすよう促した。

「紛争解決についての重要な進展もあったが、課題がなお多く残っている。その課題には、フダイダ合意の精神を傷つける断続的な暴力行為が含まれる。私は両方の当事者に対し、合意への誓約を再評価し、人々の苦しみに終止符を打つために努力することを求める」。グハ中将はこのように述べた。

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