
ダマスカス:イスラエルのジェット機が12月30日、ダマスカス付近の目標にミサイルを発射し、シリア人兵士の1人を死亡させ、3人を負傷させた、とシリア軍は発表した。
ダマスカス郊外のザバダニ地域での真夜中過ぎの攻撃は、シリアの防空部隊を目標としており、物質的損害ももたらした、と匿名のシリア軍関係者が語ったと公式通信社、シリア・アラブ通信社(SANA)が報じた。
こうした攻撃の発表は、この4日間で2度目だった。イスラエルのジェット機が24日、シリア中央部の都市、マスヤーフの軍事目標を爆撃した。
この報道は詳細については明らかにしておらず、イスラエルから直後のコメントはなかった。イスラエルはシリア内戦の間、シリア内の自らの攻撃に関して発表することは今までめったになかった。
イギリスに拠点を置く監視グループ、シリア人権監視団は、イスラエルの攻撃をイランと同盟関係にあるレバノンの武装勢力、ヒズボラグループとその他の武装勢力が利用する兵器とロケットの格納庫を狙ったものだと述べた。イランと同盟関係にある武装勢力は、2011年以降のシリア内戦で、重要な役割を果たしてきた。
この数年のうちに、イスラエルはシリアで数十回の空爆実行を認めており、その大半は、ヒズボラ向けのイランの武器を扱っているとされる場所を狙ったものだった。この数カ月にわたって、イスラエル当局は、ヒズボラが精密誘導ミサイルをつくるための製造施設を建設しようとしている、と懸念を表明してきた。
シリア人権監視団が、30日に攻撃目標となったこの地域は山が多いと語った。武器とロケット格納庫は、山脈に囲まれた盆地にあり、山の中に掘り込まれたように見えなくなっているので、何年も続いている内戦の間、イランが支援する武装勢力にとっては、絶好の隠れ場所となってきた。
シリア人権監視団はまた、シリアの防空部隊が飛来するミサイルに対抗しようとしたので、攻撃は同部隊に及び、兵士1人を死亡させ、他の5人を負傷させたとも述べた。シリア政府の主要同盟国のロシア軍も、近くに配備されていた、と同監視団は述べた。
AP通信