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スーダン、アメリカとの「アブラハム合意」署名を発表

2021年1月6日、スーダンのハムツールで、スーダンのアブダッラー・ハムドゥーク首相(右)が、アメリカのスティーブン・ムニューシン財務長官を内閣の建物に迎え入れる。(AP通信)
2021年1月6日、スーダンのハムツールで、スーダンのアブダッラー・ハムドゥーク首相(右)が、アメリカのスティーブン・ムニューシン財務長官を内閣の建物に迎え入れる。(AP通信)
2021年1月6日、スーダンのハムツールで、スーダンのアブダッラー・ハムドゥーク首相(右)が、アメリカのスティーブン・ムニューシン財務長官を内閣の建物に迎え入れる。(AP通信)
2021年1月6日、スーダンのハムツールで、スーダンのアブダッラー・ハムドゥーク首相(右)が、アメリカのスティーブン・ムニューシン財務長官を内閣の建物に迎え入れる。(AP通信)
2021年1月6日、スーダンのハムツールで、スーダンのアブダッラー・ハムドゥーク首相(右)が、アメリカのスティーブン・ムニューシン財務長官を内閣の建物に迎え入れる。(AP通信)
2021年1月6日、スーダンのハムツールで、スーダンのアブダッラー・ハムドゥーク首相(右)が、アメリカのスティーブン・ムニューシン財務長官を内閣の建物に迎え入れる。(AP通信)
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07 Jan 2021 01:01:04 GMT9
07 Jan 2021 01:01:04 GMT9
  • この合意の署名が行われたのは、スーダンがイスラエルとの関係を正常化させる、とトランプ大統領が発表して、わずか2カ月余りしか経っていなかった
  • アメリカとスーダンは、このアフリカの国、スーダンの世界銀行への債務を清算することで合意した。この債務の返済は、同国の経済回復へ向けての重要な一歩となる、と多くの者が考えていた

カイロ:スーダンは1月6日、アメリカとの「アブラハム合意」に署名したと発表し、このアフリカの国、スーダンがイスラエルとの関係を正常化への道を開いた。

スーダンの首相官邸からの声明は、ナスレディーン・アブドゥルバリ法務大臣が1月6日、アメリカのスティーブン・ムニューシン財務長官を訪問して、この合意に署名したと述べていた。

アメリカが最近仲介したアラブ諸国とイスラエルの合意は、ドナルド・トランプ大統領の政権が達成した主要な外交政策となっている。この合意は、イスラム教徒とユダヤ教徒が共に崇拝する信仰の父であり、聖書に登場する人物の名にちなんで、「アブラハム合意」と名付けられた。

この合意の署名が行われたのは、スーダンがイスラエルとの関係を正常化させる、とトランプ大統領が発表して、わずか2カ月余りしか経っていなかった。

スーダンの前に、トランプ政権は昨年終盤にイスラエルとアラブ首長連邦、バーレーンとの外交協定を結ばせたが、これは1970年代にエジプト、1990年代にヨルダンがイスラエルを国家として承認してから初めてのことだった。モロッコもまた、その後イスラエルとの外交関係を樹立した。

アメリカとスーダンは6日、このアフリカの国、スーダンの世界銀行への債務を清算することで合意した。この債務の返済は、長期的な独裁政治を行ったオマル・アル=バシール政権が2019年に転覆した後、同国の経済回復へ向けての重要な一歩となる、と多くの者が考えていた。

ドナルド・トランプ大統領の政権がこのアフリカの国、スーダンをテロ支援国家の指定から外して以来、初のアメリカ高官として、スティーブン・ムニューシン財務長官がハムツール訪問した間に、このような動きが生じた。

ムニューシン財務長官がハムツール国際空港に到着し、そこでヒバ・モハメド・アリ財務大臣代理と、ブライアン・シュカン臨時代理大使に迎えられた、とスーダン首相官邸は声明で述べていた。

これは、現職のアメリカ財務省トップによる初のスーダン訪問だ、と声明は述べていた。マイク・ポンペオ国務長官は8月、コンドリーザ・ライス元国務長官が訪問した2005年以来、初めてスーダンを訪問したアメリカのトップ外交官となった。ポンペオ国務長官もまた、昨年のアル=バシール大統領追放以来、このアフリカの国、スーダンを訪問した最高位のアメリカ高官でもあった。

ムニューシン財務長官の訪問は、アメリカの親密な同盟国、エジプトのアブドルファッターフ・アッ=シーシー大統領と会談するために、カイロへ日帰り訪問した後だった。こうした歴訪は、トランプ大統領の任期満了までの慌ただしい同政権の動きの一部だ。1月20日には、民主党のジョー・バイデン氏が大統領に就任する。

アメリカの同財務長官はアブダッラー・ハムドゥーク首相と会ったが、その後もスーダンで最高権力の座にある最高評議会議長のアブドゥルファッターハ・ブルハーン中将をはじめとして、スーダンのその他の首脳陣とも会談する予定だ。

この訪問は「私たちの両国関係が、より良い未来に向かって歴史的飛躍をする時に起きました。私たちの関係が#NewEra(新時代)に突入したので、私たちは本日より具体的に前進していくつもりです」と、ハムドゥーク首相はツイートしていた。

ムニューシン財務長官の日帰り訪問は、この国の低迷している経済と、債務救済をはじめとするアメリカの経済支援の可能性が会談の中心となっている、と声明は述べていた。スーダンは現在、600億ドル以上の対外債務を抱えている。スーダンの債務滞納からの救済と対外債務の利用は、同国の経済回復への道なる、と多くの者が考えていた。

スーダンの財務省は、同国の世界銀行への債務滞納分の返済を促進するために、アメリカの財務省との「覚書」に署名したと述べた。

同省はこの合意により、スーダン政府が世界銀行から毎年10億ドル以上の融資を受けることができ、これはスーダンがテロ支援のためにパーリア国家に指定されて以来、ほぼ30年ぶりのことだと述べた。これ以上の詳細については、同省は明らかにしなかった。

しかし、同財務省は先月、アメリカが世界銀行に10億ドルのつなぎ融資を行い、スーダンの同機関への債務滞納分の清算を支援し、その上、アメリカから11億ドルの直接・間接的支援を得ると発表した。

スーダンは2019年4月に、民衆蜂起が軍を主導してアル=バシール大統領の政権を転覆させた後、スーダンは不安定な道を歩んでいる。同国は現在、アメリカ政府、西側政府とより良い関係を求める暫定軍事評議会と民主化勢力が、共同統治を行っている。

同政府は巨額の財政赤字と、燃料、パン、医薬品をはじめとした国内中で広まる生活必需品の不足に苦しんでいる。

公式な数字によると、パンとその他の食糧の価格が高騰して、年間インフレ率は、この数カ月で200%を超えるほど急上昇したという。

トランプ政権が先月、アメリカのテロ支援国家の指定からスーダンを除外し終えた。このことが、スーダン政府がイスラエルとの関係を正常化する主要な動機となった。

スーダンとイスラエルの両国が本格的な国交正常化に合意し、スーダンはアラブ首長国連邦、オマーンに続いて、昨年終盤にイスラエルとの関係正常化に動いた3番目のアラブ国となった。モロッコもまた、その後イスラエルとの外交関係を樹立した。

スーダンの経済は数十年間に及ぶアメリカの制裁と、1989年以来同国を統治してきたアル=バシール大統領政権下の政策の失敗に苦しんできた。

テロ支援国家への指定は1990年代に遡り、当時スーダンはアル・カイダの指導者、オサマ・ビン・ラディン容疑者とその他の指名手配中の過激派を短期間匿っていた。スーダンはまた、ガザ地区のパレスチナ過激派に武器を提供するために、イランへの供給経路となったこともあると思われていた。

ムニューシン財務長官の訪問は、スーダン暫定政権の軍側と民間側のメンバーの緊張が高まる中で起きた。ここ数週間で再び表面化した緊張は、スーダン軍の経済的資産が主に中心となっており、民間側が運営する財務省が管理していない。

監視団体セントリーの共同創設者、ジョン・プレンダーガスト氏は、このアメリカの財務長官に、軍事機関や安全保障機関に圧力を掛け、こうした機関が支配する事業に「第三者の監視」の目が行き届くように促した。

「ムニューシン財務長官がスーダンの暫定政権の首脳陣に関与するとき、国際的なマネーロンダリング防止基準と、財政の透明性に強力な支持を表明することは極めて重要です。これらは、スーダンが国家経済の略奪に対抗するために必要不可欠だからです」と、同氏は語った。

AP

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