
ベイルート:レバノン治安部隊は、コロナウイルス感染者数の劇的増加を減らすのに苦戦中で、ロックダウン措置に対する国民の遵守を称賛した。
保安省の広報官、ジョセフ・ムサレム大佐がアラブニュースに語ったところによると、外出禁止令の遵守率は、以前はウイルス拡散予防措置に懐疑的だった貧しい地区を含め、全国で90パーセントであった。
しかし、全国的ロックダウン終了までの10日間で、水曜日に記録的な5,000人のコロナウイルス感染者が確認された。35人の死者の中には19歳の男性もいた。
ハリリ政府大学病院の院長であるフィラス・アル・アビヤド博士は、「非常に深刻な状況であり、これを終わらせるために協力する必要がある」と改めて警告した。
レバノンの医療部門は、10ヶ月間のパンデミックへの対応で疲弊していると博士は述べた。「我々はこの状況からの出口を見つける必要がある。」
レバノンの多数の病院が、病床不足と薬不足の警鐘のなか、緊急手術以外すべてをキャンセルした。
ベイルートや他の主要都市は、最近は非常に静寂であり、交通は食料品の配達と外出禁止令を免除された車両に限定されている。
観測筋によると、患者の苦しみや病床を確保できない人々を強調することによって国民の外出自粛を促すメディアキャンペーンが、多くのレバノン人に最新の規制の遵守を納得させたようだ。
しかし、セントジョージ病院大学医療センターの集中治療部門責任者のジョージ・ジョベレキアン博士は、国が依然として「コロナウイルス感染の局面で壊滅的な2週間」に直面していると述べた。
博士は、医療スタッフが職務を続行できるように、規制の遵守を国民に呼びかけた。
ムサレム大佐は、レバノン軍との協力ですべての地域に保安検査場が設置されたと述べた。また、人々が確実に措置を遵守するように軍の検問所に警備員が配置された。
一方で専用ウェブサイトを通し外出申請するという指示は、プラットフォームが故障したというクレームの中、大きな混乱を引き起こした。
「許可証は電子的なものなので、ミスが避けられない」とムサレム氏は語った。
「しかし、申請の承認後に外出希望者は、必要書類を保安検査場に提示する必要がある。」
外出禁止令違反者は、最大60万レバノンポンド($ 500)の罰金に加えて、3か月拘留される可能性がある。
保健大臣代行のハマド・ハサン氏は、コロナウイルスへの感染確認後、病院で治療を受けている。氏の事務所の3人も感染している。
レバノン北部ハルバの治安部隊は、多数のシリア難民がATMから出金しに銀行に行き、安全対策を順守できなかったと述べた。
国連パレスチナ難民救済事業庁(UNRWA)はその後、完全なロックダウンやその他予防措置を遵守するよう難民に呼びかけた。
当局は、2020年2月以降パレスチナ難民の中で、コロナウイルス感染者数が3,991人、死亡者が145人であると述べた。
レバノンの病院は最大収容人数に達し、集中治療室での患者収容が一層困難になっていると警告した。
レバノンの市民緊急当局「レバノンSOS」は、外出禁止令に救援組織が含まれ、貧しい家族への食糧配給を脅かしていると訴えている。