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レバノンの国会議員らがアウン大統領について「政党として行動している」と非難

レバノン議会の代議員らは、ミッシェル・アウン大統領について、「憲法を託された国家の大統領としてではなく、政党として行動している」と非難した。(AFP/ファイル)
レバノン議会の代議員らは、ミッシェル・アウン大統領について、「憲法を託された国家の大統領としてではなく、政党として行動している」と非難した。(AFP/ファイル)
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24 Jan 2021 11:01:23 GMT9
24 Jan 2021 11:01:23 GMT9
  • レバノン大統領に対する反対勢力の形成はキリスト教派閥の出方次第

ナジア・フッサリ

ベイルート:レバノン議会の代議員らは、ミッシェル・アウン大統領について、「憲法を託された国家の大統領としてではなく、政党として行動している」と非難した。

1月23日(土)、アンワル・ハリール議員は22日(金)にアウン大統領広報室が出した声明について、「レバノン国民の心を傷つけ、重要な新政府設立の希望を打ち崩すものだ。またそれは頑固さと強情による的外れの内容でもある」と述べた。

22日(金)の声明には、アウン大統領は「閣僚の選任と配置に関するパートナー」であると書かれている。

ハリール議員はアウン大統領に対し、「憲法によってあなたは大統領であり、国の統一の象徴であり、憲法の擁護者であると規定されている」ことを改めて申し伝えた。

「あなたの顧問たちはあなたをひとつの党派に仕立て上げている。言い争いはもう十分だ!国全体を支援し、国を崩壊から救い出せ」とハリール議員は述べた。

アウン大統領は、新政府設立を妨害しているという非難に対し、自身と自由愛国運動(FPM)党首のゲブラン・バシル議員について弁護したが、そのことによってアウン大統領とサード・ハリーリ次期首相との間の緊張関係が高まっている。

ハディ・アブ・アル=ハッサン議員はこう述べる:「ハリーリ次期首相はアウン大統領を辞任に追い込むために壊滅的プロセスに直面している。」そしてさらにこう語った:大統領と前首相は「政府にバシル議員を入閣させないのなら、ハリール氏を首相として復活させたくないのだ。」

さらに、アウン大統領を批判してこうも言っている:「(次期首相指名の)誓約はうっかり発言だ。どこか別の世界の話になってしまっている。皆が証言しているように、また彼のやり方から見ても、アウン大統領はすべてを独占したがっている」

「この国の問題は、現状をしっかりと認識している理性的な中央権威が存在していないことだ。そうした存在が無い現在、我々は自分で蒔いた種を自ら刈り取っているのだ」

ムスタファ・アロウシュ前議員は未来運動のヴァイスプレジデントを務めるが、彼によると、大統領の目的は「バシル氏を再び政権に参画させて大統領の座を彼(自分の義理の息子)に明け渡すことだ。国の救済ではない」と言う。

アロウシュ前議員によると、新政府は「 組織や各地域に援助の手を差し伸べる必要がある。レバノンは国際通貨基金(IMF)を説得して融資を受けることが可能かもしれないが、それに続いてCEDRE(レバノン経済支援のための国際的ドナー・投資家会議)の支援ならびに湾岸諸国や米国からの援助が得られなければ、我々はIMF への債務をただ増やすことになるだろう」という。

アロウシュ前議員によると、他の派閥、特にヒズボラは救援活動に関心がない。そして、「アウン大統領と前首相はバシル大統領を誕生させることを目論んで新政府の設立を妨害するため、ヒズボラが彼らの頑固さを正当化してくれることをあてにしている」と言う。彼によると、バシル氏は米国から個人的な制裁を受けているが、その制裁は湾岸諸国からも国際社会からも認められておらず、「彼らは事実上の政府を押し付けようとしている」という。

アウン大統領と彼の政治派閥に対する反対勢力を結成しようという呼びかけについて、アロウシュ前議員はこう言う:「散々議論はされているが、これらの政党がその考えに同意したとしても、詳細事項に関しては合意することはない」

タンマーム・サラム元首相の顧問を務めたアブデル-サッタル・アッラズ氏はアラブニュースにこう述べた:「少し前にサラム元首相宅で会合がもたれた。元首相たちと進歩社会党党首ワリド・ジュンブラット氏が出席し、国内の行き詰まりを解決するための考えられるシナリオについて協議した。」

現時点では反対勢力の形成は難しい、とアッラズ氏は言う。「何らかの新たな反対勢力を結成とすれば、キリスト教徒党派とシーア派が必要であり、スンニ派とドルーズ派だけに限定することはできない。レバノン軍やファランヘ党などのキリスト教徒派閥があり、それらは彼ら自身の個人的課題を抱えている。反対勢力は無所属の人々で形成することはできない。本物の代表者持つ推進勢力を必要とするからだ」

「鍵はキリスト教徒党派が握っている。大統領に対抗する反対勢力を結成して彼の排斥を要求するか、辞任へ追い込むことができるだろうか?そうした反対勢力は マロン派のベチャラ・アルライ長老が指導者となるべきだが、将来のマロン派政権の立場に影響を及ぼすため、反対勢力形成の可能性はない。そうなると、情勢の変化を待つ以外希望はない。さもなければ我々は窮地に陥ることになる。」

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